アーリーカップ優勝の琉球ゴールデンキングス、指揮官の佐々宜央が見る『現在地』

2018/09/10
Bリーグ&国内
8935

佐々宜央

文・写真=鈴木栄一

「気持ちを出してプレーしたことを称えたい」

アーリーカップ関西大会、琉球ゴールデンキングスはアイラ・ブラウンの日本代表招集、ジェフ・エアーズが登録に間に合わず、ビッグマンが実質的にジョシュ・スコットしかいない布陣で挑んだ。この圧倒的なサイズ不足の中、他チームもベストメンバーでないという側面もあったにせよ2試合を危なげなく勝利し、大会連覇を達成した。

決勝の大阪エヴェッサ戦を佐々は、「プレシーズンではありますが、シーズンで優勝に到達するにはこういうチャンスを逃さないことが大事。だからこそ、選手たちが気持ちを出してプレーしたことをコーチとして称えたいです」と総括する。

また個々の評価については、持ち味の切れ味鋭いドライブで中にアタックし、シュートチャンスを作り続けた新加入の並里成について「並里みたいな選手が入ると、周りの選手もドライブの感覚をつかめてくる。そう言う意味でも刺激になってくれている。例えば須田(侑太郎)などは成長している部分が多いです」と、副次的なプラス効果も大きいと強調する。

さらに「寒竹(隼人)は、昨季プレータイムがほとんどなかった前のチームを相手に活躍をしてくれました。最後の3ポイントはコーチとして震えました」と、ビッグマンの駒不足を補う貢献を古巣の大阪相手に見せたベテランの奮闘を喜んだ。

佐々宜央

オン・ザ・コートルールの変更、琉球の選択は

佐々はアーリーカップが初めての適応となったレギュレーション変更の影響も語った。帰化選手は40分制限なくプレー可能となる。そして、外国籍選手は3名と契約できるが、試合登録は2名まで。その2名は常時オン・ザ・コート「2」で起用できる内容となっている。

このルール変更への対処はクラブによって様々。3選手と契約してローテーションで起用するチームもあれば、試合に出る2選手と控えという明確な序列を付けるチームもある。もちろん、予算との兼ね合いで外国籍選手2名体勢のチームもいる。そんな中、琉球の外国籍はジョシュ・スコット、ジェフ・エアーズの2人と、3人体制にはしない選択を取った。

その背景を佐々は次のように語る。「大前提として、アイラ(ブラウン)が帰化選手であることが一番の理由です。平日開催も増えスケジュールがキツくなる今シーズン、もしアイラが帰化選手でいなかったらコンディションを考えて3人を取っています。しかし、アイラが帰化でいてくれるので、外国籍2人との3人体制です」

「外国籍を3人にすることのメリットはいろいろありますが、それよりも僕は試合に出られない選手の心境というデメリットをより考えました。アイラのおかげもあって、そのリスクを取らないことにしました」

しかし、琉球と違う考えで、3人制のメリットをより重視したチームもいる。そして、試合に出る2人を交代せずローテーション制にするチームと戦う場合、対戦相手の準備がより大変になってくる。

「出場する選手が違えばスカウティングはまるっきり変わります。まだ、週末の連戦ならいいですが、平日開催の場合は、日曜から水曜日と試合間隔がわずか中、2つのパターンを用意しないといけない。コーチとしたら頭を使うだけでなく、体力戦ともなるより難しいルールになった面はあると思います」。このように佐々は、レギュラーレーション改正の影響を語る。

昨シーズン1年間をかけて築いたベースに新加入選手をどう組み合わせるか、そして新しいルールへどのように対応していくのか。佐々の采配、チームマネージメントは興味深い。