JR・スミス

「アリーナで刺されることは絶対にないからね」

NBAで2度の優勝を経験し、昨シーズンにどのチームとも契約しなかったJR・スミスは、ノースカロライナA&T大に入学して大学生ゴルファーになるというセカンドキャリアを歩みだした。そして今週、スミスは初めて大学のゴルフトーナメントに出場した。

スミスはミスを連発し第1ラウンドで12オーバーの83、第2ラウンドでも7オーバーの78と、自身が思うような結果を残せなかった。NBAという世界最高峰の舞台で16年間プレーしたスミスであっても、異なる競技の初めての大会とあって「緊張したよ、何に期待すればいいのか分からなかった」とラウンドを振り返った。本日行われた3ラウンド目は8オーバーの79でホールアウトし、通算29オーバーの84人中81位という結果で初めてのトーナメントを終えた。

元NBA選手であるスミスにはギャラリーがついて回った。スミスも自身のデビューが注目を浴びることを理解しているが、トーナメントではただの競技者になりたかったという。「何よりも一人の選手として出場できたのがうれしいし、自分の知名度が刺激になった。謙虚な気持ちになったね。早くまた練習に戻りたいよ。楽しかったけど、やはり負けるのは好きじゃない」

また、スミスは注目を浴びるからこそ、上達したいと本気で思っている。初日のラウンドを終えた後にクリス・ポールと連絡を取ったことを明かした。「励ましのメッセージをたくさんもらった。クリス・ポールはロッカールームでみんなが話題にしていると言っていたよ。みんな僕のスコアをとても気にしているようだから、僕は自分の仕事を全うしないといけない」

厳しい結果に終わったスミスだが、ラウンド中にスズメバチに襲われる珍事に巻き込まれたことで彼の挑戦はさらに注目を集めた。3番ホールのティーショットがフェアウェイを外れて松の葉に埋もれた際、カートの車輪が巣の上に転がったことでスズメバチの襲撃を受けた。

「バスケットボールでは他の動物のことを心配する必要はないし、刺された時はあり得ないって思ったよ。バスケットボールコートやアリーナで刺されることは絶対にないからね」とスミスはそのシーンを振り返った。

自身の結果も振るわなかったが、スミスが所属するチームも13チーム中11位という成績に終わった。初めての大会は苦い思い出となったが、技術を向上させてトーナメントで優勝争いをするスミスの姿が見てみたい。