『らしさ』を発揮して勝利に貢献した秋田ノーザンハピネッツの川嶋勇人「結局は自分が生きたらみんなも生きてくる」

『らしさ』を発揮して勝利に貢献した秋田ノーザンハピネッツの川嶋勇人「結局は自分が生きたらみんなも生きてくる」

2021/10/11 17:30
川嶋勇人

ハードな守備に加えて、アップテンポなオフェンスを取り入れた秋田

秋田ノーザンハピネッツはサンロッカーズ渋谷との第2戦で、各クォーターの失点をすべて17点以下に抑え、『ディフェンスのチーム』の名に相応しい戦いぶりで見事な勝利を収めた。

ジョゼップ・クラロス・カナルス前ヘッドコーチのディフェンスマインドを引き継いだ前田顕蔵ヘッドコーチはより強固なディフェンスを構築し、昨シーズンはB1全20チーム中で失点数で5位を記録。しかし、得点数では平均78.1得点で20チーム中14位と下位にいた。

そんな秋田が、まだ開幕4試合を終えただけとはいえ、今シーズンは平均85.5得点を記録。特にSR渋谷との第2戦では、各クォーターで21得点以上を記録し、92-60での快勝を収めた。

今シーズンの秋田は開幕戦後に前田コーチが「『走る』というチームは多いけど、『本当に走る』ことにシーズンを通してチャレンジする」と語ったようにアップテンポなバスケットを目指し、実際にSR渋谷との第2戦ではファストブレイクポイントで17-5と圧倒した。激しいディフェンスからのトランジションだけでなく、ハーフコートでもセットを組む前に攻め、時間をかけずに仕掛ける積極性が目立った。

前田コーチは「オフェンスは昨シーズンからすべて変えているというか、180度変えていて、選手たちの状況判断、速いテンポ、良いシュートセレクションを強調しています」と明かした。「セットプレー、セットプレーというよりは、スカウトされにくいようにしたい。秋田はずっとディフェンスをベースに作ってきたチームなので、そこから速い展開に持っていきたいのは昨シーズンも、その前のシーズンもありました。ただ、今シーズンは川嶋(勇人)選手やジョーダン(グリン)選手、田口(成浩)選手が入ってアウトサイドの厚みが出ることで、よりそれが可能になりました」

SR渋谷もディフェンスファーストのチームで、タイムシェアを行い、常に強度が高いディフェンスを保っている。前田コーチは「特に渋谷さんのプレッシャーに対してセットプレーを作ろうとすると余計におかしくなってしまう」と言い、こう続けた。 「セットプレーを使うと、昨シーズンの僕たちはハーフコートのバスケットが非常に重くて難しかったです。今シーズンはそういうのを全部取っ払って、僕たちにしかできないバスケットをしたい。今日はしっかり失点を抑えて、得点を取るというのがすごく噛み合った試合でした」

川嶋勇人

「やっと馴染めた感は出てきました」

このSR渋谷との第2戦で攻守に渡ってチームを牽引したのが、今シーズンから加入した川嶋だ。先発で出場した川嶋は21分のプレータイムで5得点2リバウンド7アシスト5スティールを挙げ、出場していた間の得失点差を表すプラスマイナスは日本人選手ではトップとなる+22を記録した。

攻守ともに持ち味を発揮してチームの勝利に貢献したが、「正直、個人的には今シーズンすごく調子が悪くて、夏場から身体の調子もバスケットの調子もすごく悪かったんです。それで僕自身、あんまり馴染めていない感じだったんですよね」と川嶋は明かした。それでも「コーチ陣に引き上げてもらったり、先輩たちにも引き上げてもらったり。後輩たちにもすごく手伝ってもらったりして、ようやく、今日やっと馴染めた感は出てきましたね」と安堵の表情を見せた。

前田コーチも川嶋については「プレシーズンを通してなかなか思うようにプレーできていなかったので、自信をつけさせてあげたかった」と語っていた。そして、思うようなプレーができなかった要因の一つに「自分がやらなければ」という気持ちがマイナスに働いたと川嶋は言う。

「自分の中でベテランの域に達してきたので、『もっと考えながらやらなあかんな』ってすごく強く考えていたんです。でも、昨日も先輩たちとしゃべっている時に『お前はなんも考えずに攻めろよ』って言ってもらって(笑)。それもあって今日はちょっと表現できたのかなと思います」

「秋田は若い子もすごく多いので、考えて考えていろんな人を生かしていかなきゃという気持ちが強くなっていて。でも、結局は自分が生きたらみんなも生きてくると思って、その結論に至りました」

川嶋勇人

「秋田にきて自分のディフェンスは、あんま上手くないなと思いました(笑)」

もともと川嶋はスティールが得意で、昨シーズンはキャリアハイの平均2.4スティールを記録し、スティール王に輝いている。この試合でもゲームハイの5スティールを記録したが、ディフェンスのチームである秋田では「僕自身、昨シーズンはスティールがすごく多かったんですが、秋田に来て自分のディフェンスは、あんま上手くないなと思いました(笑)。今はディフェンスをすごく教えてもらっています」と明るく語った。

チームが目指すスタイルのバスケを表現し、なおかつ個人としても、ようやく新チームでの手応えを得た川嶋は、あらためて今シーズンの目標をこう語った。

「スティールは自分の感性があるので、ディフェンスで自分よりも速い相手について行けるようにならないといけません。オフェンスでももっとアグレッシブに攻めて得点を取りたいし、シューターが結構いるので彼らにさばくパスもどんどん上達していけるようになりたいです」

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