ウォリアーズ

ジョーダン・プールの成長に、新加入組もそれぞれの存在感を発揮

ウォリアーズが満員のチェイス・センターで戦うのは575日ぶりのことだった。クラブ発表で1万6923人のファンを迎え、ヘッドコーチのスティーブ・カーは「素晴らしいの一言だ。前回のポートランドの試合でも満員のスタンドから得られるパワーを感じられてうれしかったが、ホームとなればさらに素晴らしいよ」と語っている。

最高のモチベーションを得たウォリアーズはナゲッツを相手に素晴らしいパフォーマンスを見せ、118-116で勝利した。ステフィン・カリーを始め主力のプレータイムは15分程度と、指揮官カーはベンチメンバーを長くプレーさせた。その中でこれからチームの戦力になるであろう選手のアピールが目立った。

オットー・ポーターJr.は19分の出場でベンチメンバーでは最多の15得点に加えて9リバウンドを記録。19得点を挙げた先のブレイザーズ戦に続いて4本の3ポイントシュートを決めて、ウォリアーズのシューター陣の仲間入りを果たすとともに、このチームの弱点であるサイズの面でも存在感を発揮している。33歳のベテラン、ネマニャ・ビエリツァは19分の出場で13得点。先の試合では3本中2本、この試合では5本中3本と、試投数は多くなくてもチャンスを高確率で決めている。

ウォリアーズのスモールラインナップにおいて、ポーターJr.はパワーフォワード、ビエリツァはセンターとしてプレーすることになる。3ポイントシュートはウォリアーズの看板商品だが、このポジションのベンチメンバーまでこれだけ高精度のシュートを打てるとなれば、相手にとっては止めどころがなくなる。カリーにとっても、これから復帰するクレイ・トンプソンにとっても、プレーしやすい環境となる。

「これはオットーとビエリツァが我々にもたらす新しい武器だ」とカーは言う。「4番ポジション、5番ポジションのシューターがいれば、今まで得られなかったスペースができる。ウチは常に3ポイントシュートを武器としてきたが、3ポイントシュートという意味でこれだけの選手層はなかった」

エイドリー・ブラッドリーは前からプレッシャーを掛けてディフェンスを引っ張る存在として重宝されそうだ。ブレイザーズ戦での15分に続き16分のプレータイムを得て、十分なインパクトを残している。

さらに若手の成長も確認できた。ジョーダン・プールは2試合連続の先発出場。ブレイザーズ戦では30得点、ナゲッツ戦では17得点を挙げている。クレイはいずれ復帰するだろうが、しばらくは無理をさせたくない。プールは22分、23分と2試合いずれもチーム最長のプレータイムを得て結果を残しているが、カーは「プレータイムは彼自身が勝ち取ったもの。活躍していることも、我々にとっては驚きではないよ」と22歳のプールへの信頼を語る。このプレータイムの中で様々な組み合わせが試されており、プールにとって飛躍のシーズンになるのは間違いなさそうだ。

カリー、クレイ、ドレイモンド・グリーン。2年ぶりに復帰したアンドレ・イグダーラ。彼らはNBAのトップスターであり、『勝ち方を知る選手』ではあるが、優勝から遠ざかっている3年でそれぞれ年齢を重ねて全員が30代になった。彼らの揃い踏みが見られても、ライバルチームも年々レベルアップしていることを考えれば、『新しい上積み』が必要なのは間違いない。それが確認できているプレシーズンゲームは、ウォリアーズにとって非常に有意義なものとなっている。