最高のスタートを切った琉球ゴールデンキングス、一層気を引き締める岸本隆一「こういう時こそ地に足をつけて」

最高のスタートを切った琉球ゴールデンキングス、一層気を引き締める岸本隆一「こういう時こそ地に足をつけて」

2021/10/06 19:00
岸本隆一

指揮官も信頼する、『ゲームチェンジャー』としての資質

琉球ゴールデンキングスは開幕節でアルバルク東京を相手に連勝を収めた。初戦は帰化枠の小寺ハミルトンゲイリーと外国籍2人を同時起用するビッグラインナップが見事にハマり、2試合目はビッグラインナップをほとんど使わずの勝利と、結果だけでなく内容においても大きな収穫を得た。

第2戦は第4クォーターを29-14と圧倒したことで、82-75の逆転勝利を収めた。この猛攻を牽引したのが岸本隆一だ。第4クォーターの出だしで「隆一が冷静にシュートを1つ沈めてくれてから、チームとしても本来の冷静さを取り戻せた」と桶谷大ヘッドコーチが称えた一撃を含め、このクォーターだけで3ポイントシュートを4本中3本成功させ、12得点3リバウンド2アシストと大暴れした。「今日は隆一が良かったので徹底してやり続けました」と、指揮官の期待に応え、勝利の立役者となった。

価値ある連勝スタートへの思いを岸本はこのように語る。「うれしいはうれしいですが、不思議といつもと変わらない感情です。ただ、僕たちにとって意味のある2ゲームになった。これからの戦い方次第で今日の2試合はより価値のあるモノになる。興奮と冷静さが混ざった不思議な気持ちでいます」

そして、開幕戦で機能したビッグラインナップを使わずに勝利したことへの手応えについても語った。「ビッグラインナップは確実に強みになっていますが、そこに頼るのか、オプションとして特にガード陣が使っていけるのかでは、意味合いがちょっと変わってくると思います。勝ち方が2試合で違ったのは、チームの幅を広げる意味で大きかった。そこに手応えを感じています」

持ち味の3ポイントシュート爆発で試合の流れを変えた岸本だが、開幕戦では前からプレッシャーをかける激しいディフェンスで会場を沸かせるなど、試合の流れを変える守備面での貢献も大きかった。桶谷ヘッドコーチは、代名詞の長距離砲だけでなく、ハッスルプレーでもチームに流れを引き寄せてくれる岸本の『ゲームチェンジャー』としての資質に厚い信頼を寄せる。「空気感が悪い時、彼の一本でチームの雰囲気が変わりました。昨日はディフェンスで、流れを変えてくれています。いつ出しても一発で流れを変えられるのは、このチームにとって大きな武器と思っています」

岸本隆一

引退した石崎巧の『レガシー』を受け継ぐ

岸本自身が今シーズンのチームにおいて意識している役割は、戦術の幅を広げること。そこには開幕節で次のように感じた反省点も影響する。

「良い面としては出ている5人が共通認識を持って、今どこで攻めるかを分かっていることです。ただ、逆にそこに依存しすぎる傾向も少なからずあります。うまくボールを分散しながら、相手にとって狙いを定めにくいオフェンスを行うことをもっと意識し、僕自身がコントロールしなければいけないと思います」

この思いには過去4シーズン在籍し、その卓越した戦術眼、バスケットボールへの深い造詣で西地区4連覇を支え、オフに引退した司令塔の石崎巧の影響がある。

「『チームとしての決まりごと、約束事がある中でいかに自分のアプローチで大枠の部分を広げていけるのか』と、昔ザキさん(石崎)が言っていて、それは僕自身も意識するところです。チームの約束事がある中で、今日はこういうアプローチもあると、ザキさんはプレーで示してくれていました。ザキさんのように奥深く考えを発言することは中々できないですが、その姿勢はすごく勉強になります。僕もそういう役目も担っていきたいです」

結果と内容をともに得たことで、琉球にとっては会心のシーズン開幕となった。だからこそ、岸本は気を引き締める。「こういう時こそ地に足をつけてしっかりやらなければいけないと思います。たくさんの人に期待してもらえるチームになりたいですし、僕が一番このチームに対して希望を持っています。冷静に戦いながら、皆さんの期待をどんどん膨らますことができるように戦っていきたいです」

これまでのチームになかったビッグラインナップの爆発力、これまで培ってきた日本人選手の前から激しくプレッシャーをかけてリズムをつかむ堅守。そして、引退した名司令塔から学んだことを継承していく思い。開幕節で琉球は、今シーズンの進むべき道をファンにしっかり見せた。

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