岡田侑大はシーホース三河で2シーズンを過ごした後、昨シーズンに富山グラウジーズへ移籍し、チャンピオンシップ出場を果たした。そして今オフにはさらなる成長を求め、信州ブレイブウォリアーズへの移籍を決意した。昨シーズンの信州はリーグ2位の堅守を誇る。「オフェンスの起爆剤になれれば、チームも良い結果が出てくる」と言う、岡田の未来予想図は現実化のモノとなるか。
「ほぼ、オフじゃなかったです(笑)」
──オフシーズンはどのように過ごしていましたか?
今まで以上にずっとバスケをしていましたね。実家に体育館があってトレーニングもバスケもいつでもできるので、チャンピオンシップが終わって2日後くらいからずっとやっていました。朝にシューティング、ウエイトをして、昼にワークアウトをして、というのを週5、6くらいでやっていました。コロナ禍でどこにも行けなかったというのもありますが、ほぼ、オフじゃなかったです(笑)。
同級生の西田(優大)とか津屋(一球)、水野(幹太)と一緒にワークアウトをしました。バスケをやる場所がなかったらしく、どうせなら一緒にやろうということで。
──西田選手は岡田選手とのマッチアップが思い出と話していましたが、仲が良いのですね。
試合の時は別ですけど、普段はみんな仲が良いです。西田とは高校からずっとマッチアップしてきたので、それが今の舞台でもできるのはとても幸せなことです。昨シーズンも新潟とやった時にマッチアップしましたが楽しかったです。他の上手い選手とマッチアップする楽しさとはまた違った楽しさがありますね。
──昨年のオフに取材した際に、英語の勉強をしようと思って参考書を買ったけど、結局読まずに来年のオフにやると言っていましたが?
やってないですね(笑)。でも結構コミニケーションを取ろうとはしていて、日本語の分かるジョシュ・ホーキンソンに教えてもらいながら話しているので、結構レベルアップしたと思います。本はいらないですね、しゃべった方が早いです(笑)。ホーキンソンとヤン・ジェミンとは一緒にご飯に行くこともありますが、ホーキンソンが通訳みたいになってます。ジェミンは僕の一個下で初めての後輩です。
──キャリア4年目となるので忘れていましたが、まだ23歳ですからね。上下関係はどんな感じでしょう?
ジェミンはもう同級生みたいな感じです。(前田)怜緒は体育館の中では僕のほうが先輩で、体育館の外に出たら僕が一個後輩ですね。
「トータル的に自分の成長を取りました」
──多くのオファーがあったと思いますが、信州に移籍した理由を教えてください。
6、7チームくらいありましたが、成長したかったというのが一つです。富山でプレーしていた時はジュリアン(マブンガ)とジョシュ(ジョシュア・スミス)がすごいので、何もしなくてもノーマークになるというか、自分から行動しなくても攻めやすいケースが多かったです。自分から何かアクションを起こしてクリエイトしたり、オフェンスのリズムを作るのが理想だったので、それで一番学べるチームなのかなと思って選びました。
──三河ではシーズン後半戦に出場機会が減少し、プレータイムを求めて富山に移籍しましたが、富山では後半戦に先発出場が増えました。富山を1年で離れることに悩みはしなかったですか?
めちゃくちゃ迷いましたね、やっぱり(浜口)炎さんには自分らしさをすごく出させてもらえましたし、富山のブースターの皆さんにも、前半苦しかったのを支えてもらったので、残留するという考えもありました。
自分が残ったら、保証はないですけど昨シーズン以上に勝てると思いますし、彼ら2人とプレーしていたら昨シーズンの後半のようなスタッツを残すことが多分できたと思いました。ただ、それが本当に自分の成長になっているのかと考えた時に、現状維持になってしまうのではないかと。もっと上に行くためには富山では現状維持しかできないのかなと思うところがあって、すべてを考えた中で、トータル的に自分の成長を取りました。
──三河ではプロ意識を学んだと言っていましたが、富山で得たモノは何でしょう?
コミニケーションですね。ベテランからルーキーまで本当にしゃべりますし、仲が良かったので言いたいことを言える関係でした。それがあったので、後半戦に自分も波に乗れたと思うので、チーム内でのコミュニケーションの大切さを学びました。
──信州に対して、どのような印象を持っていましたか? また、チームにフィットするイメージは持っていましたか?
ディフェンスが良いチームというのが一番で、ピック&ロールから外国籍選手に頼るのではなく、チーム全体でオフェンスを組み立てるというイメージがありました。僕もピック&ロールが好きなので、オフェンス面では何の不安もなかったです。信州はチームディフェンスがすごいので、1人がサボってしまうとそれが崩れてしまいます。ディフェンス面で不安はありました。
点数を取ることとオフェンスのリズム良くすることが求められますが、ディフェンスを頑張らないと試合では使えないと最初に言われました。「できる、できないじゃなく、やる意思が大切だよ」とよく言われています。
「点数を取るバリエーション、引き出しの多さを見てもらいたいです」
──過去のチームでは絶対的なスコアラーや中心選手がいましたが、その中で平均10得点近く取っていました。さらなる得点増が見込めるのではないでしょうか?
プレシーズンでは2桁を取り続けられてはいるんですけど、そんなに簡単じゃないとは思います。(ダバンテ)ガードナーや金丸(晃輔)さん、ジュリアンやジョシュがいたからヘルプが来なかった部分がありましたし、そういう引きつけるプレーヤーがいないとヘルプに縛られたりすることもあるので。
ただ、点数を取ることが一番大切だと思いますし、場面場面でしっかり仕事をしていきたいと思っています、ヘルプに来ているところを強引に行くことも必要ですが、それよりもノーマークのシューターにさばく。点数を取ることだけじゃなく、パスもできることが一番の理想です。
──平均20得点は厳しいですか?
どうですかね(笑)。昨シーズンの後半戦ぐらい3ポイントシュートが入れば、難しくないと思いますし、昨シーズンよりは良い結果が出せると思います。
ただ、昨シーズンまではゾーンディフェンスが多かったですし、そこまでプレッシャーを与えるようなディフェンスを求められるチームではなかったので、オフェンスだけにフォーカスしていたことでシュートも入っていたと思います。でも、信州はタフなディフェンスをするので、今までオフェンスの足があったんですけど、最後にパワーが残っていなかったりというのが、プレシーズンの試合や練習でも見られたので。そこが今年の一番の課題なのかなと自分の中で思います。
──今までは自由にプレーさせてもらえたと言っていましたが、信州では制約が多いですか?
三河は自由でしたし、炎さんは僕をオフェンスで縛ることはしなかったので、ルールもなく自由に点数を取ることだけを考えてやっていました。信州ではピック&ロールから入るのがチームとしてのルールで、1on1をするという攻め方はそんなにないですが、それ以降のプレーに関しては(勝久)マイケルさんに何か言われることはないです。今のところ、縛りはあまりないですね。ディフェンスを頑張れみたいな感じはすごくあります(笑)。
──では最後にファンへのメッセージをお願いします。
新加入の3人とも若いですが、チャンピオンシップに出るための力に絶対になれると思います。個人としては、ピック&ロールから点数を取るバリエーション、引き出しの多さを見てもらいたいですし、信州のオフェンスの起爆剤になれればチームも良い結果が出ると思っています。シーズンを通して苦しい時間帯や時期もあると思いますが、それをともに乗り越えて一緒に日本一を目指しましょう。