ドック・リバース

「彼がいれば絶対に勝てるんです」

セブンティシクサーズのベン・シモンズについて様々な報道がされてきたが、トレーニングキャンプまで1週間を切った現在もなお去就は不明のままだ。

シモンズは移籍を希望し、トレーニングキャンプに参加しないと報じられたが、指揮官のドック・リバースは「その考えを変えることができると願っている。それが我々の仕事だ」と、『Keyshawn, JWill&Max Show』に出演した際に語った。

シモンズとシクサーズの関係にヒビが入ったのは、カンファレンスセミファイナルでホークスに敗れたことに起因する。シモンズはポストシーズンで絶不調に陥り、ホームで行われた『GAME7』ではシュートに行くべき場面でパスを選択するなど、戦犯扱いされた。そして、試合後の会見で「シモンズが優勝を競うポイントガードになれるか」と問われたリバースが「分からない」と返答したことで、シモンズの気持ちが離れたとされている。

だがリバースは「それは私が実際に言ったことではない。これが我々の仕事を難しくしている」と、自身の発言ではないと主張。そして、シモンズのディフェンス力について触れ、彼の偉大さについて言及した。「ベン・ウォレスが殿堂入りするのを見るのは素晴らしいことだった。デニス・ロッドマンは偉大なスコアラーでなくても、チームのタイトル獲得に貢献し、殿堂入りを果たした。私はベンがこれまで以上に得点を量産できると思っているが、それが彼を偉大にするものではない。彼を偉大にしているのは他のすべてのことだ」

3ポイントシュートを打たず、シュートが得意ではないところばかりが取り上げられるが、シモンズはオールディフェンシブチームに2シーズン連続で選出されているディフェンスの名手でもある。『GAME7』ではエースのトレイ・ヤングのフィールドゴールを23本中5本の成功に抑え、ゲームハイの13アシストを記録した。リバースはこうしたオールラウンドな部分こそ、シモンズの最も優れた部分だと語った。

「彼がオープンショットを打たせ、その高い運動能力でプレッシャーをかけているのかを皆さんは忘れている。我々も彼も努力しなければならないことはあるが、彼がいれば絶対に勝てるんです」

リバースの思いは届くのか。シモンズの去就に最後まで注目が集まる。