「それこそ今の日本代表のフルパワーになる」
ワールドカップのアジア2次予選Window4は、日本のバスケットボールファンにとって待望の試合となる。アメリカを活動の舞台とする渡邊雄太、八村塁が揃って出場することがその一因だ。馬場雄大と合わせ、日本人離れした世界標準のサイズと身体能力を備え、高校時代から将来を嘱望されていた3人が、A代表で一緒にプレーする初めての機会となる。
大きな期待を寄せる周囲と同じく、馬場も3人の揃い踏みに興奮を隠せない模様だ。「僕が勝手に思っているだけですけど、各自がそれぞれの道を進んできて、今こうして集まってプレーするのはワクワクします。どれだけ成長しているのか、一緒にプレーすることで肌で感じられるので楽しみですね。その一言に尽きます」
渡邊と八村に加え、足首の手術からの回復途中であるニック・ファジーカスが間に合った場合は、日本にとって文字通りベストメンバーとなる。だからこそ、結果を出せなければいけないと一段と気を引き締める。
「ニックの足首の状態は気になりますが、それこそ今の日本代表のフルパワーになります。だからこそ、ここで負けてしまったら未来がなくなってしまう。みんな揃ったことで、『勝つのが当たり前』でやっていかないといけない。その責任は感じています」
メンフィス・グリズリーズとの2ウェイ契約とNBAデビューに向け一歩ずつ階段を登っている渡邊、来年のNBAドラフトでの1巡目指名も有望とされる八村に対し、今はBリーグに全力の馬場ではあるが、将来的な海外挑戦を目指していることに変わりはない。その目標に近づくため、チームプレー第一の中でも、世界の目が集まるワールドカップ予選でインパクトを残すつもりだ。
「もちろん、代表でアピールすることが海外挑戦に向けた自分の今の第一歩で、そこが一つのキーだと思っています。塁、雄太が来てより注目されるところでアピールできたら、自分のビジョンというか、未来が広がって来ると感じるところはあります。そこは積極的にトライしていきたいです」
「言ってしまえば『成長するのは当たり前』です」
Window3終了からの約2カ月について「休む暇もなくあっという間に今日まで来た気がします」と振り返る馬場であるが、一方で自身の成長には確かな手応えを得ている。
「常にコーチにアドバイスをもらいながら練習はしてきました。全体的に成長できたと感じています。それに、言ってしまえば『成長するのは当たり前』なんです。自分はまだまだ右肩上がりだと思っています」
少なくとも、これから10年近くは日本代表の柱となるべきトリオがついに日本代表で共演する今回のカザフスタン戦とイラン戦。3人の大器が集うことで、代表にどんな相乗効果が生み出されるのか、待ち遠しい限りだ。