恩塚ヘッドコーチの求めるバスケは「3×3に通ずるところがあります」
3人制バスケットボール『3×3』の女子日本代表として東京オリンピックに出場し、攻守の軸として大活躍した馬瓜ステファニーは、今度は5人制の日本代表として明日開幕のアジアカップに参加する。
トヨタ自動車アンテロープスに所属し、本来は5人制の選手として活動しているステファニーが、3×3を始めたきっかけは2018年に行われたアジア競技大会だ。5人制の代表として大会にエントリーしていたものの、3×3のメンバーにケガ人が出たため、急遽『助っ人』としてチームに加わり、3×3デビューを果たした。その後も5人制と3人制の両方の代表合宿に参加していたが、2019年10月のU23ワールドカップで優勝したのを機に3人制の代表活動に専念した。今年5月に予選を勝ち抜き東京オリンピック出場権を獲得。本大会でも攻守の軸としてチームを支え、アメリカ代表を破る大金星を挙げるなど目立った活躍を見せた。
そのステファニーが、2年ぶりに5人制の日本代表に招集された。「個人的には久しぶりの5人制の代表なので、つかみ切れていないところがありますけど、自分のプレーをしっかりと代表の中でも出していけるようにと思っています」と彼女は言う。
同じバスケットとはいえ、3×3と5人制ではボールも違えば、競技の特性も異なる。プレー感覚を取り戻すのは時間が必要かもしれないが、指揮官がおらず、自分たちで状況を判断して戦わなければいけない3×3の経験は、恩塚亨ヘッドコーチが個々の判断力を重視するバスケットに通ずるところがある。
「恩塚コーチのバスケットはいろいろなフォーメーションがある中で、『もっと1対1を出してほしい』、『フォーメーションを崩してもいいから考えてもっと自分たちのプレーをしてほしい』と言われていて、そこは3×3に通ずるところがあります。自分たちはまだフォーメーションを追ってしまっている部分があるので、自分たちの中に落とし込んで自由にプレーができるようになったらもっと強くなると思います」
ステファニーは今後も3×3と5人制の両方をやっていきたいと明言し、こう語った。「今年は3×3の大会に出るのは難しいと思いますが、5人制と両立しながらできる期間は短いので、できるなら5人制で得たものを3人制に生かし、3人制で得たものを5人制に生かしていけたら。それこそどちらでも良い結果を出せればと思います」
3×3の代表として日本中を沸かせてくれたステファニーは、今度は5人制でもガッツ溢れるプレーを見せて、日本の5連覇達成に貢献してくれるはずだ。