エリック・ゴードン

「優勝を争うチームで、勝つためにプレーする方が楽しい」

ジョン・ウォールとロケッツは、話し合いの末にトレードを成立させる方向で動くことに合意した。数年後のチーム再建を目指す方向に完全に切り替えた球団は、ウォールと同じ30代のエリック・ゴードンについて、どう考えているのだろうか?

『The Athletic』によれば、32歳のゴードンは球団にトレードを要求しないものの、もし自分にとって良い話なら聞く意志はあるという。ただ、ロケッツはゴードンのトレードを考えてはおらず、実際にゴードンはトレーニングキャンプ前にバハマで行われたチーム合宿に参加していた。

昨シーズン中にジェームズ・ハーデンをネッツにトレードしたことで、ロケッツは若手に出場機会を与える方針に切り替えた。そしてウォールのトレードを決めた以上、ベテランのゴードンが残る理由はない。まだまだスコアラーとして有能なゴードンは「NBA選手なら、勝つためにプレーするもの」と語った。

「ただの一選手でいるためにプレーするわけではない。優勝を争うチームで、勝つためにプレーする方が楽しい。誰だってそういうフェーズを経験する」

ゴードンはロケッツと2年の契約を残している。今シーズンの年俸は1800万ドル(約20億円)、2022-23シーズンは1950万ドル(約21億円)で、決してリーズナブルな金額ではない。その上、近年の故障歴を考えれば、彼の獲得に手を挙げるチームは多少のリスクを覚悟しなければならない。

それでも、今後数年は西カンファレンスのプレーオフ争いに加わることがないであろうロケッツでプレーするよりも、優勝が可能なチームでプレーする方が彼のキャリアにとってプラスなのは間違いない。球団にとっても、彼をトレードすることでドラフト指名権や有望な若手を獲得できるため、お互いにとってメリットのある話だ。

ゴードンは球団が自身の考えを理解していること、その一方で若い選手を導く立場にあることについて、こう語った。

「球団は僕の考えを分かってくれているけど、僕の立場からすると簡単な話ではない。僕の目標は試合に出て、まだまだやれるところを示して、若手が成長するために導くことだから」

開幕までにロケッツがゴードンを放出するとは考えにくいが、トレードデッドラインまでには、プレーオフに向けてロスターを再編成する強豪からオファーが届く可能性は高い。その時に球団がどう判断するのか、シーズン開幕後も注目したい。