西宮ストークスはB2優勝、そしてB1昇格の命題を昨シーズンは果たせなかった。それを今シーズンこそ叶えるため、チーム体制の強化に着手。チーム誕生時からストークスのユニフォームを着続ける谷直樹に加え、大阪エヴェッサから加わって2シーズン目となる経験豊富なベテラン、今野翔太とのダブル・キャプテン制を敷く。気持ちも新たに開幕への準備を進める2人のキャプテンに意気込みを聞いた。
昨シーズンは地区優勝を果たすも昇格に届かず、仕切り直しの再出発
──まずは今野選手が谷選手をどのように見ているか、そして谷選手からはキャプテンとしての意気込みを教えてください。
今野 直樹はB1で対戦したこともあって、プレーが冷静で、時には熱い選手だと知っていました。チームメートになって感じるのは、コートの外でも落ち着いていて、すごくキャプテンのオーラが漂っていること。冷静でリーダーシップがあるので、チームがずっと直樹にキャプテンを任せている意味が、すごく理解できるんです。締めるところはちゃんと締めるし、試合に向けてのムードを作るために集中しているのが僕には見える。大事なところ、大事な時に、良い言葉も発してくれる。本当に頼りになるキャプテンだと思います。
谷 僕が一番に思っているのは、チーム全員が目標に向かって正しい道を歩めるようにすることです。一人でも違う方向に顔を向けるのではなく、全員がしっかり目標に向かえるようにサポートする。プロなので誰もが練習を一生懸命にやるとか、試合で頑張るのは言うまでもありません。負けが続いた時や勝って気が緩んだ時に、チームがバラバラにならないようにする。それがキャプテンとしての僕の仕事で、やるべきことだと思っています。
──今野選手は大阪エヴェッサ時代にもキャプテンを務めています。どのようなキャプテンであろうとしていますか？
今野 大阪の時は自分からたくさんハドルも組みました。それが良かったのか悪かったのかは分からないですけど、独りよがりではなかったと思います。僕は自分から声を上げる『ザ・キャプテン』という感じではなかったし、よくある背中で引っ張るタイプです（笑）。
谷 いいじゃないですか。今シーズン、やってくださいよ。
今野 いやいや。基本的に直樹がキャプテンで、僕はサポート役やと思っているから。直樹という本当のキャプテンがいるので、僕はそれを支える立ち位置かなと思っている。肩書きは『直樹のサポートキャプテン』にしてほしいです（笑）。
谷 翔さん、それはズルいって（笑）。どんどん、背中で語ってほしいですよ。今シーズンは選手だけのミーティングもしていて、それをシーズンを通してやりたいと翔さんが中心になって動いてくれているんです。僕は同じことを思っていても、言い出せなかった部分がありました。それを翔さん主動で言ってくれて、みんなでミーティングしようとなっている。それはすごく助かっています。
今野翔太「オジサンでもこれくらいやれるんだぞ、というところを見せたい」
──昨シーズンは地区優勝はできましたが、プレーオフでは悔しい思いをして、B1昇格を逃しました。
谷 終ってみて感じたのは、優勝を目標にしていたけど、それに値するチームではなかったというか……。自分たちの実力が足りなかったかなと思います。
今野 僕も直樹と同じで、実力が足りていなかったのもそう。それに地区優勝はしたけど、細かいところかもしれないけど、チームで詰めきれていなかった部分があったと思う。それが積み重なって最後の2試合に出てしまったのかな。今シーズンは、それをなくさないといけない。
谷 昨シーズンの悔しい思いがあるから残った選手もいる。それにチームの目標が、B2で優勝してB1に昇格は揺るぎない。新しく加わった選手も、そのために西宮に来てくれたと思いますし。とにかく、B2で優勝してB1に昇格したい。年齢的にもあと何年かは現役でプレーできるだろうと思っています。だから1年でも早くB1に昇格して、あそこでプレーしたい。今シーズンはそれを必ず達成したいと思っています。
今野 B2で優勝してB1に昇格するのは、かなりのエネルギーがいることだと感じました。今シーズンも夢を追うためには、その覚悟が必要。直樹も言っていたように、僕もあと何年プレーできるか分かりません。もちろん、やれる限りはやるつもりです。それでも最短で、今シーズンに昇格に懸ける気持ちはすごく強いです。
──B1昇格を果たすためには何が大事になってくると思いますか？
谷 昨シーズンの反省点として、チームの成熟度が足りていなかったと個人的に思っているんです。今シーズンも、新しい選手が加わります。あの反省を生かして、シーズンが始まる前からチームとしてコミュニケーションを取っていかないといけない。お互いのやりたいこともそうですし、チームとしてやるべきことを選手同士で話し合って、共通認識を高めていくことが大事だと思っているので、そこをしっかりと突き詰めたい。ベテランも多いのでシーズン中に完成されたチームになるよう、チーム一丸となってやっていきます。
今野 まったくそのまま同じです。
谷 だから、ズルいって（笑）。
今野 成熟度は本当に大事だと、昨シーズンで身をもって感じましたね。この前に選手間でミーティングした内容は、徹底してコミュニケーションを取ることが一つのテーマでした。それが成熟度を上げる近道だと思います。今シーズンの僕らはB1も含めて平均年齢が一番高いチームだと聞いていますが、しっかりとしたコミュニケーションを築いて『オジサンでもこれくらいやれるんだぞ』というところを、どんどん見せていきたい。
谷直樹「僕が先頭に立って体現して、チームを引っ張っていく」
──キャプテンとして、そして一選手として、どういった形でチームに貢献したいですか？
谷 キャプテンとしては、チームがしっかりと同じ方向を向くようにすることが第一だと考えています。コミュニケーションもそうですし、僕が先頭に立って体現して、チームを引っ張っていく。個人的には同じポジションに川村（卓也）選手が入ってきて、プレータイムの競争も激しくなる。それにしっかり勝って、自分がプレーしてチームを引っ張れるように頑張っていきます。
今野 キャプテンをやらせてもらえるシーズンなので、プレーはもちろん、人間的にもしっかりとした姿を後輩たちに見せる。それがチームの良いプレーに繋がると思う。そういった面でも、心のサポートができるようなキャプテンになっていければと思います。
──最後に、開幕を楽しみにしているファン・ブースターへのメッセージをお願いします。
谷 B2優勝、B1昇格に向かってチーム一丸となって戦いますので、ファン・ブースターのみなさんもともに戦ってください。今シーズンも応援よろしくお願いします！
今野 昨シーズン、僕たちが悔しい思いをしたのと同じように、ファン・ブースターのみなさんにも悔しい思いをさせてしまいました。今シーズンはそんな思いをさせず、楽しい、うれしかったというシーズンにしていきたいと思っていますので、今シーズンも応援よろしくお願いします！
