ジャカルタで招集を聞かされ「今がチャンス」
9月3日に発表されたバスケットボール男子日本代表のワールドカップ2次予選Window4に向けた予備登録メンバーの中には、先日アジア競技大会を終えて帰国したばかりのメンバーも何人か含まれている。その中で今回、話を聞いたのがベンドラメ礼生だ。アジア競技大会の最終戦を終えた後に、スタッフから「まだ合宿があるぞ」と招集を聞かされたそうだ。
不祥事で8人になったチームでアジア競技大会を戦い抜き、途中で足首を痛めながらも強行出場を続けたベンドラメにとっては心身ともにハードな日程となるが、身体を休める時間がないのは承知で「今がチャンスだとすごく思いました」と語る。
「正直、オーストラリア遠征とアジア競技大会のプレーを通して、あまり良いところを見せられなかったと感じていたので、満足はしていないです。ゲームメークの部分で、いかにミスをせずチームメートにボールを回すか、そういうポイントガードとしてのプレーがあまり良くなかったと感じていて。昨シーズンを通して僕は2番ポジションで得点を取っていて、点の取れるガードというアピールはできたんですけど、ポイントガードとしてチームを引っ張った時にあまり良い手応えではなかったと感じていました」
サンロッカーズ渋谷では2番ポジションでの起用もあったが、日本代表のヘッドコーチであるフリオ・ラマスはベンドラメについてポイントガード起用しか考えていない。だからこそ彼はゲームメークの質を高めることを自分に課しているが、自分の売りはスピードとスキル、相手の一瞬の隙を見逃さない嗅覚でドライブで縦に割って入る突破力であることも理解している。24人から12人に絞られる中で代表に生き残るために、その強みを押し出していく。
「やっぱりヘッドコーチが使うタイミングで、求められていることをいかにできるかなので。自分に求められるのは流れを変えるプレーだと思っています。使われたタイミング次第ですけど、割って入っていく積極的なプレーが求められるんじゃないかなって」
「あこがれる場所じゃなく、達成しなきゃいけない場所」
代表のポイントガードは、富樫勇樹、篠山竜青、宇都直輝の3人が定着しており、ベンドラメはそこに挑む4番手の立ち位置。「シュート力のところで評価されたいです。国際大会の大きな相手にも負けないドライブの強さを出して、シュートまで持っていって、得点を取ることです」
ジャカルタで戦ったベンドラメは『日の丸を着けて戦うこと』の意義をあらためて感じている。「日本代表は、みんながあこがれる場所、みんなが目指す場所です。僕も日本代表を目指してずっとやってきて、今チャンスをつかむところまで来ました。プロになっただけで満足するんじゃなくBリーグの顔になるためにも、日本代表に入ることは大事な過程だと思っています。今の僕にとってはあこがれる場所じゃなく、達成しなきゃいけない場所です」
チーム内競争に勝ち抜き、12人に残ってこその『日本代表』だとベンドラメは言う。「24人に入ることができて良かったね、12人に残れず惜しかったね、じゃなくて。12人に残るために自分をアピールして、メンバーに入ったら試合に出てしっかりと活躍したい。コートの中でのリーダーになりたいって思います」