タデウス・ヤング

33歳のベテランながら攻守を支え、『ハッスル賞』を受賞

NBAファイナルに進出する躍進のシーズンを終えたサンズは、現行の戦力をキープすることを優先して大きな補強は行わなかった。クリス・ポールとの契約延長だけでなく、キャメロン・ペインも残すことができた。補強としてはランドリー・シャメット、ジャベール・マギー、エルフリッド・ペイトンと小粒ながらチームの方向性を変えることなく、層を厚くするものとなった。

そして今、さらに大きな補強としてタデウス・ヤングの獲得を検討していると『The Athletic』は報じている。ヤングは今オフ、デマー・デローザンのトレードに絡めてブルズからスパーズへと移った。それでも若手中心に再建を図るスパーズにとって、33歳のヤングは中長期的プランに入らない。新シーズン限りで契約満了となる彼は再びトレードされると予想される。

ヤングはNBAキャリア14年、33歳のベテランだが、エネルギッシュなプレーはいまだ健在。ブルズ2年目の昨シーズンには68試合に出場し、平均24.3分とフル稼働。『NBAハッスル賞』を受賞してもいる。優勝を狙うチームにとっては計算できる即戦力だ。

各ポジションで層の厚いサンズだが、唯一パワーフォワードはジェイ・クラウダーの負担が大きく、ここにヤングを加えてプレータイムをシェアできれば、チームの攻守の安定感はさらに高まる。ヤングは3ポイントシュートをほぼ打たない選手だが、インサイドでプレーメークができ、クリス・ポールとデビン・ブッカーがベンチに下がっている間のボールムーブを助けられそうだ。

ただし、問題はいかにトレードをまとめるかだ。スパーズは大きな要求をしてこないだろうが、すでに完成されたチームであるサンズは、ローテーションプレーヤーの誰を外すかで頭を悩ませることになりそうだ。