求められるポストシーズンでの活躍
ウィル・バートンはプレーヤーオプションを破棄したことでナゲッツを退団するかと思われていた。しかし、バートンはナゲッツと2年3000万ドル(約33億円)の再契約を結び、チームで最も在籍が長い選手となった。
バートンは記者会見で、最初から再契約する気持ちでいたことを明かし「シンプルな決断」だったと語った。オプションを破棄したのはナゲッツとさらに良い条件で契約するためであり、その目論見通り、わずかにサラリーを上乗せし、もう1年分の保証も得た。
バートンは契約に合意する前に、複数のチームメートと連絡を取り合っていた。そして、相思相愛であることをあらためて確認し、居心地の良いこの場所に留まる決心をした。「みんなは僕に戻ってきてほしいと思っていたんだ。そして、彼らは僕が戻ってきたいと思っていることも知っていたんだ」
昨シーズンのナゲッツはジャマール・マレーが左ひざ前十字靭帯を断裂して戦線離脱しながらも、レギュラーシーズンMVPを受賞したニコラ・ヨキッチを中心に勝ち星を積み上げた。サンズに敗れはしたが、カンファレンスファイナルまで勝ち進み、西の強豪としての地位を不動のものとした。
今後はプレーオフで勝てるチーム作りを進めていくが、バートンはそのカギを握る重要な人物だ。昨シーズンのバートンはレギュラーシーズンで出場した56試合中52試合で先発を務め、平均12.7得点、4.0リバウンド、3.2アシストを記録し、安定したパフォーマンスを見せた。しかし、プレーオフではハムストリングの故障により3試合の出場に留まり、平均16.3得点を挙げるもフィールドゴール成功率は39.2%と低調だった。バートン自身も「プレーオフで高いレベルのパフォーマンスを発揮できなかった」と認めている。さらに言えば、バートンは一昨シーズンも足のケガのためプレーオフに出場できなかった。
バートンが健康を維持し、レギュラーシーズンのような安定したパフォーマンスをポストシーズンでも披露できれば、ナゲッツはもうワンステップ上のチームへと変貌を遂げる。