ケンバ・ウォーカー

過去2シーズンは膝のケガに悩まされるも「もうプレーには影響ない」

NBAキャリア10年のベテラン、ケンバ・ウォーカーはセルティックスからトレードされ、ニックスにやって来た。現地8月17日に、同じくトレードで加入したエバン・フォーニエとともに入団会見が行われ、ケンバは「地元のチームでプレーできるのは最高の気分。鳥肌が立つぐらい幸せだ。自分の家に戻って来るのがどれほど素晴らしいか、言葉では説明できない」と興奮を語った。

それでも、セルティックスでの過去2シーズンは膝のケガに苦しみ、なかなか本来のパフォーマンスを発揮できなかった。膝の状態を問われると「調子はとても良い。もうプレーには影響ない」と断言した。

ケンバは続ける。「レギュラーシーズンが終わってからはほぼプレーしていない。これだけ長く休んだことはここ数年ではなかった。しっかりと休み、膝のケアにも時間を費やしている。最高の気分で新しい挑戦に臨むことができるよ」

昨シーズンはバック・トゥ・バック(2日連続の試合)には出場しなかったケンバだが、新シーズンは連戦もこなせるかと質問されると、「彼に聞いてみてください」と、会見を眺めていたヘッドコーチのトム・シボドーを指さした。突然の指名を受けたシボドーが「彼はプレーしているよ」と答えると、会見場は爆笑に包まれた。屈託なく笑うケンバを見ていると、状態は本当に良さそうだ。

「このチームには優れた若手がたくさんいる。ドラフトでも良い選手を獲得した。サマーリーグでのプレーは本当に良かったと思うよ。僕はエバンとともにここに来て、リーダーシップを発揮する。彼らが持っているものをさらに増やしていくつもりだ」とケンバは抱負を語る。

そして彼個人としては、『もう終わった選手』という汚名返上を誓う。「その思いが僕のすべてを突き動かしている。僕は自分がどういうプレーヤーか分かっているつもりだ。自分にどんなプレーができて、どのレベルにいたいのか。それを示すことが今の僕のモチベーションになっている」

一昨シーズンに膝を痛め、プレーオフに間に合わせるために無理をしたことが結局はマイナスとなった。昨シーズンは膝の調子を常に気にしながらのプレーを強いられ、ポイントガードの彼が本調子を出せなかったことがセルティックスの失速の要因となった。それでも、ホーネッツ時代はピック&ロールを使って自ら打開してから多彩なシュートとアシストをする選手だったケンバは、セルティックスの2シーズンで周囲を使うプレーを増やし、ツーメンゲームだけでなくチーム全体を動かすようにプレースタイルを変えた。その多彩さはニックスでも生きるはずだ。

31歳になった今も彼は変化し、成長しようとしている。必要なのは信頼されること。ケンバは言う。「完璧なタイミングでニューヨークに戻って来ることができた。ニックスが僕を信じてくれたことに本当に興奮している。それが僕に必要なすべてなんだ。誰かが信じてくれれば大丈夫。彼らはそうしてくれる。感謝しているよ」