アレックス・カルーソ

「誰もが彼と一緒にプレーしたがるだろうね」

デリック・ローズの時代が終わって以降、ブルズは試行錯誤を繰り返すものの低迷期が続いている。しかし、新シーズンのブルズは今までの雰囲気を打破できそうな期待を持たせるチームとなった。

4年連続でプレーオフ進出を逃した昨シーズン終了後にブルズの球団運営部代表のアルトゥラス・カルニショバスは「タレントをロスターに加え、成長して戻ってくる」と語った。昨シーズン中のトレードではマジックからオールスターのニコラ・ブーチェビッチを、セルティックスからもダニエル・タイスを獲得。今オフには、カルニショバスの言葉通り、デマー・デローザンとロンゾ・ボール、そしてバックアップガードのアレックス・カルーソをロスターに加えた。

中でもカルーソは、2016年のNBAドラフトにエントリーするも指名されず、Gリーグからキャリアをスタートさせた苦労人だ。2017年にレイカーズと2ウェイ契約を結び、2019年に実力を認められて本契約を勝ち取り、2019-20シーズンにはレイカーズのNBA優勝に貢献した。とりわけ秀でたスタッツを残す選手ではないが、バスケットIQが高く、ディフェンスやオフボールの動き、味方を生かすプレーでチームファーストを体現し、チームメートやコーチ陣からの信頼も厚い。

今回、ともに新加入することになったロンゾとはレイカーズ時代のチームメートだ。ロンゾは『Chicago Sun-Times』の取材で、カルーソとの再会について語り、彼を『パーフェクトチームメート』と称えた。

「まず彼はチャンピオンとしての勝利のメンタリティをチームにもたらしてくれる。それにタフさや根性も持ち合わせていて、小さなことでも何でもやってくれるんだ。AC(カルーソ)は完璧なチームメートだよ。誰もが彼と一緒にプレーしたがるだろうね。彼はチームのことを第一に考えてくれるし、シカゴでも間違いなく評価されると思うよ」

レブロン・ジェームズも「彼はとにかく賢くて、僕たちが何をしてほしいかを知っている。常に適切な時に適切な場所にいてくれる選手だ」とカルーソを称えていた。また、レブロンだけでなく、レイカーズ時代にはチームメートから『GOAT』(Greatest Of All Time、史上最高の選手)のあだ名をつけられるほど信頼され、ファンからも愛されていた選手だ。

エースのザック・ラビーンを中心とした新生ブルズでの『名脇役』カルーソの活躍に注目だ。