チャウンシー・ビラップス

優勝を求める選手の気持ちを理解する指揮官

昨シーズンのプレーオフ・ファーストラウンドでナゲッツに敗れたトレイルブレイザーズは、新たなヘッドコーチにチャウンシー・ビラップスを招聘した。

ブレイザーズは、絶対的なエースであるデイミアン・リラードありきのチームだが、優勝を狙うには彼を支えられる有能なサポーティングキャストが必要だ。リラードも、このオフに優勝が可能な補強を実現するようフロントに迫ったとも言われ、このまま十分な戦力が揃わないのであれば、2021-22シーズン開幕後にトレードを要求するのではとも噂されている。

現役時代に優勝経験のあるビラップスは、そうした噂について「優勝を経験した者として、理解できる」と、『The Oregonian』に語った。「彼は経験豊富な選手でMVPレースにも加わり、オールスターであり、オールNBAチームにも選出された経験がある。そして、今ではオリンピアンになった。オリンピックで金メダルを獲得した以上、勝ちたいという意欲がもっと増すだろう」

「選手時代に優勝した者として気持ちは理解できる。優勝がどれほど気分の良いものかを知っているからね。彼が欲しているのは優勝する機会。ただ、それは全員が求めているもの」

ビラップスは、リラードがいるチームだからヘッドコーチのオファーを受けたわけではないと主張しつつ、エースの残留を願っている。「当然ながら、デイムの存在はこの素晴らしい仕事を受けるに当たって魅力的なものだった。私は、チームの選手のためにベストを尽くす。もちろん、他の選手と同様に、デイムにも残ってもらいたい」

「NBAには2種類のチームがある。真のスーパースターがいるチームと、そういう存在を求めるチーム。ウチには、彼という素晴らしい選手がいる。これは幸運なことなんだ」

ビラップスは、これまでに何度かリラードと直接話をする機会があったことを明かしている。そして、リラードがどういう決断を下そうと、サポートを約束している。「彼にとってもいろいろなことがあった夏だった。私は、彼をサポートするためにここにいる。彼と同じ立場、やろうとしていることを経験している私のような存在がいるのは、いろいろと役に立つだろう。私なら、選手の立場を理解して上手に対応できることがある」

「選手はそれぞれの事情を抱えている。普段は一歩下がって見守って、必要ならサポートする。彼に上から何かを言うつもりはない。彼は家庭を持っている大人で、プロ。自分のことは自分でなんとかするだろう。決断しないといけない時がくるだろうが、そのタイミングにかかわらず、力になる」