先発に抜擢された宮澤の活躍で粘り、林の3ポイントシュートで幕
東京オリンピックで金メダル獲得を目指すバスケットボール女子日本代表が準々決勝でベルギーと対戦した。
日本の先発は町田瑠唯、林咲希、赤穂ひまわり、宮澤夕貴、髙田真希の5人。インサイドアウトから3ポイントシュートを許すも、先発に抜擢された宮澤がすぐさま3ポイントシュートを返した。インサイドで高さ負けする日本はスクリーンアウトを徹底してもオフェンスリバウンドを許してしまう。それでも、交代で入った長岡萌映子が飛び込んでオフェンスリバウンドを奪い返し、トラップディフェンスでトラベリングを誘発するなどポゼッションで互角に渡り合った。
日本はべルギーの連動したチームオフェンスに苦戦したが、赤穂がポストプレーで連続得点を奪い、髙田が3ポイントシュートにドライブからのバスケット・カウントと内外から得点し、19-16とわずかにリードした。
第2クォーターに入ると、ディフェンスが機能した日本が最初に主導権を握る。足を使ったディフェンスでドライブを許さず、タフショットを打たせることに成功。オフェンスでは宮澤がドライブを警戒する相手ビッグマンに対し、連続で3ポイントシュートを成功させた。
開始2分で2桁のリードを奪った日本だったが、ここからタイムアウトを取って落ち着きを取り戻したベルギーの猛攻を受ける。プレッシャーをかけて2人で追い込む日本のディフェンスは機能していたが、ダブルチームの際に突破を許すようになり、数的不利な状況から連続で3ポイントシュートを許してしまう。オフェンスではドライブからのレイアップを決め切れず、ターンオーバーから走られるなど悪循環に陥った。本橋菜子が個で打開して連続5得点を挙げたが、ディフェンスを修正できず、ベルギーの3ポイントシュートが高確率で決まり、41-42と逆転を許して前半を終えた。
後半に入ると町田、宮澤がブロックショットを浴びるなどオフェンスで決め手を欠く。オフェンスでリズムに乗れず、日本が理想とする速攻を連続で許し、さらにオフェンスリバウンドから3ポイントシュートを浴びて、この試合最大となる13点のビハインドを背負った。
それでも、再び本橋が個で打開し、宮澤も3ポイントシュートを沈めて点差を1桁に戻すと、町田が第3クォーター終了間際にシュートファウルを誘発し、フリースローをしっかり沈めて61-68と食らいついた。
警戒される中、宮澤が連続で3ポイントシュートをねじ込み、さらに髙田がショットクロックわずかなところから3ポイントシュートを決めて、開始約4分で同点に追いついた日本。ここから一進一退の攻防が最後まで続いたが、ゲームハイの25得点を許したエマ・メッサーマンをどうしても止められず、常に追いかける展開が続いた。
しかし、あきらめない日本の執念がベルギーのミスを生む。残り1分54秒、ドライブを仕掛けた町田がアンスポーツマンライクファウルを誘発。フリースローを2本沈め、これで得たポゼッションで赤穂も得点し、再び同点に追いついた。そして、2点ビハインドで迎えた残り16秒、徹底マークを受けていた林がフェイクで相手マークをかわし、3ポイントシュートを射抜いて86-85と逆転。キム・メスデスのミドルシュートが外れ、そのままタイムアップとなり劇的な逆転勝利を収めた。
歴史を変え、ベスト8の壁を超えた日本。この後行われるスペインとフランス戦の勝者と準決勝を戦う。