ラッセル・ウェストブルック

クーズマ、ハレル、コルドウェル・ポープがトレード

NBAドラフトが始まる直前にビッグトレードのニュースが舞い込んできた。『ESPN』によれば、レイカーズがラッセル・ウェストブルック獲得についてウィザーズとの交渉をまとめようとしているようだ。カイル・クーズマ、モントレズ・ハレル、ケンテイビアス・コルドウェル・ポープ、そして2021年のドラフト指名権がレイカーズからウィザーズに譲渡される。

レイカーズはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスとのタッグ結成により、2019-20シーズンのNBAチャンピオンになった。しかし今シーズンは、2人ともコンディションに問題を抱えてプレーオフのファーストラウンドで敗退。新たなチーム編成をする上で議論されたのはポイントガードで、デニス・シュルーダーとの契約を延長せず、レブロンやデイビスと肩を並べる経験豊富な選手を新たに獲得すると見られていた。

ターゲットの一人だったクリス・ポールは、サンズがNBAファイナルに進出したところで残留が濃厚に。キングスのバディ・ヒールドも候補に挙がっていたが、レイカーズは最終的にウェストブルックを選ぶようだ。ウェストブルックは4400万ドルと高額年俸の選手で、レブロンとデイビスとの3人の年俸だけで1億2100万ドルになる。レイカーズは高額なサラリータックスを支払うのを覚悟の上で、再び優勝を勝ち取りに行くつもりだ。

ポイントガードとしてボールを持つ時間が長いウェストブルックは、レブロンやデイビスと噛み合わないと言われる。それでも2人を支える脇役ではなく『ビッグ3』として並び立つタレントとしては、考えられる限り最高のタレントだ。何より彼には、勝利を求めてベストを尽くすメンタリティがある。コービー・ブライアントは生前、自分と同じぐらい勝利にこだわる選手は誰かと問われて迷わずウェストブルックの名前を挙げている。

ウィザーズにとってもこのトレードが成立すれば、先発クラスの選手が3人やって来る上に、豊作と言われる今年のドラフト指名権が一つ増える。ウェストブルックを残しても来年オフにはフリーエージェントとなることが濃厚なだけに、このタイミングでのトレードは理にかなっている。

それでもウェストブルックがこのタイミングでトレードに出される背景は気になるところ。昨年、ウェストブルックがロケッツにトレードを要求したのは、ジェームズ・ハーデンがチームを離れることを知ったからだと言われる。ブラッドリー・ビールはウィザーズを離れるのではないかと噂されており、ウェストブルックがこれに影響されて今回のトレードに繋がっているのだとしたら、ウィザーズは完全に再建に入ることになる。

現在行われているNBAドラフトの行方とともに、このトレードが本当に成立するのかどうかに注目だ。