モンティ・ウィリアムズ「優勝経験がないからと過小評価するのは愚かだ」
サンズのクリス・ポールは『ポイントゴッド』と称されるほどの能力を持つ司令塔として多くの勝利をチームにもたらしてきた。数々の個人タイトルも手にするなど人気、実力ともにリーグトップクラスの選手だが、NBAファイナルに出場したのは今回が初めて。クリッパーズを下し、ファイナル進出を決めた際には「16年だ。16年かかった」と男泣きするほど、優勝に飢えていた。
サンズはバックスとのファイナル第1戦、第2戦に連勝したが、そこから3連敗と失速。そして、昨日行われた第6戦を98-105で落とし、ポールの夢は潰えた。追い求め続けたタイトルを逃し、「タフだよ。今はもっと何かできたのではないかと考えている」と、悔しさを語った。
それでも、サンズの指揮官であるモンティ・ウィリアムズは失意のポールを気遣うように、そのすごさを説いた。
「私の目標は彼とブック(デビン・ブッカー)のためにタイトルを獲得することだった。クリスほどのキャリアを積んできた選手を、優勝経験がないからと過小評価するのは愚かだ。NBAで活躍するのは大変なことだし、ましてや彼のように歴代の名選手になるのは難しいことだ」
そのポールはすでに気持ちを切り替えつつある。「自分たちに力があることは分かっているけど、まだ不十分だった。まずはそれを解決しなければいけない。自分自身を見つめ直し、どうすればもっと良くなるのか、何がもっとできたのかを考えて、来シーズンに向けて準備をしていきたい」
そして、「気持ちを整理するにはしばらく時間がかかるだろうけど、メンタルは変わらない。僕は引退しない」と言い切った。確かにファイナルにたどり着くには16年という長い年月を擁した。だが、今回の経験を経たことで、次の機会はすぐに訪れるはずだ。