ドライブで相手守備を崩すことができず、そこから悪循環に
U19ワールドカップに参戦している日本代表は、グループリーグの3試合に続いて決勝トーナメント1回戦にも敗れ、順位決定戦に回った。7月9日に対戦したのはトルコ。決勝トーナメント1回戦でアルゼンチンに敗れたものの、2点差という惜しい内容。グループリーグでは2勝を挙げている相手で、ここまで全敗を喫している日本代表との力の差は大きかった。
日本の先発はハーパー・ローレンスJr、元田大陽、山﨑一渉、米山ジャバ偉生、山ノ内勇登。立ち上がりはフットワークで上回り、フィジカル勝負にも引かない姿勢を見せて競った展開に持ち込んだが、激しくコンタクトに行っていてもシュートを決めきる相手の得点が続き、開始5分で10点のビハインドを背負った。
より問題だったのはオフェンスだ。攻めたいコースをフィジカルでふさがれると突破できず、シュートチャンスを作り出せない。ベンチから出た小川敦也、岩下准平がドライブで得点を生み出したが、それも相手ディフェンスにすぐ対応されて単発に終わった。ドライブが効かずゴール下にアタックできないまま、外で回して放つ3ポイントシュートは全く決まらない。ドライブを試みてのターンオーバーが続き、さらにはロングリバウンドを相手に拾われて速攻を食らうことになった。
前半を終えて22-46。ハーフタイムを挟んでオフェンスを立て直したいところだったが、逆にディフェンスが崩れてしまう。ポストアップで押し込まれ、キックアウトからの3ポイントシュートに、外れてもオフェンスリバウンドからセカンドチャンスに持ち込まれる。リズム良く放つトルコの3ポイントシュートの確率が上がっただけでなく、キックアウトを予想した裏を突かれてのドライブでイージーレイアップを許すなど、失点のペースが上がった。ようやくボールを奪っても攻め急いでミスからボールを失うことに。トランジションから浅井英矢のコーナースリーが決まり、菅野ブルースが相手のクローズアウトを身体で止めて金近廉のワイドオープンを作るなど良いプレーもあったが、それ以上に相手のオフェンスが目立った。
結局、最後まで『日本の時間帯』を作り出せずに49-97の完敗。佐古賢一ヘッドコーチは「インサイドでかなり押しこまれて、自分たちのやりたいことができなかった」と語る。日本では小川と木林優の8得点が最多だったが、トルコは6選手が2桁得点をマーク。ターンオーバーからの得点で5-25、セカンドチャンスポイントで6-26、ペイント内の得点で20-60と、すべてにおいて圧倒された。
劣勢の中で8得点5リバウンドと気を吐いた小川敦也は「勝つためにやらなきゃいけないことが徹底できず、勝たなければいけないトランジションの部分で負けてしまった」と課題を語りながらも「ベンチから出て速攻を出したり、自分でクリエイトして流れを変える準備はしてきました。通用した部分はあると思います」と手応えを感じてもいる。
今日は13-16位決定戦でマリと、そして明日の最終戦と、あと2試合が残されている。ラスト2試合に向けて小川は、「チームとしてやらなければいけないことを40分間徹底して、走り勝ちたい」と気持ちを入れ直した。