ステフィン・カリー

「自分にとって正しい時期ではなかったんだ」

男子バスケットボールアメリカ代表は今週からラスベガスでトレーニングキャンプを開始し、東京オリンピックに向けた最終調整を行っている。

代表からの招集を辞退したウォリアーズのステフィン・カリーの姿は当然そこにはなく、同じネバダ州でも違う場所で別のスポーツに取り組んでいる。ゴルフ好きとして知られ、プロ顔負けの実力を持つカリーは、今週末に開催されるゴルフトーナメント『アメリカン・センチュリー・チャンピオンシップ』に参加するためにタホ湖に滞在している。

カリーは「難しい決断だった」と代表を辞退した理由について語った。「今シーズンは過密日程だったし健康安全プロトコルもあり、自分がキャリアのどの位置にいるかも考えると、オフシーズンは大切にしたいと思った。ラスベガスに行ってプレーするすべての選手を尊敬するし、彼らの成功と金メダル獲得を願っているよ」

オリンピックはすべてのアスリートが目指す最高の大会であり、限られた人しかその舞台に立つことはできない。それを分かっているからこそ、カリーも「難しい決断だった」と語ったが、それでもカリーは自身が下した決断を後悔することはない。

「ただ、僕には合っていなかったんだ。肉体的、精神的にどう感じているか、リーグで何が起こっているか、それらを考えて出した答えが『ノー』だった。そして、来シーズンに向けて、比較的早くから準備することが重要だと思った。その決断には自信があって、後悔はしていないよ。ここでゴルフをして、家族と楽しんでいる」

カリーはアメリカ代表として、ワールドカップで2つの金メダルを獲得しているが、2016年のリオオリンピックは膝と足首のケガを理由に参加できず、オリンピックに出場したことはない。カリーは言う。「オリンピックのような最高の舞台でプレーしたいという気持ちは常にあるけど、自分にとって正しいこと、正しい時期ではなかったんだ」

昨シーズンから今シーズンまでのタフなスケジュールを鑑み、代表参加を断念した選手は少なくない。東京オリンピックでトップクラスの選手のプレーが見れないのは残念だが、この期間を心身のリフレッシュに充て、新シーズンでは最高のプレーを見せてほしい。