個で打開できる渡邊がいることで、チームバスケットが機能
バスケットボール男子日本代表は国際強化試合、日本生命カップ2021(沖縄大会)でハンガリーと対戦した。世界ランキングは日本の42位に対し、ハンガリーは38位と格上だが、終始質の高いパフォーマンスを見せた日本が79-58で勝利した。
先発は田中大貴、比江島慎、渡邊雄太、ギャビン・エドワーズ、シェーファー・アヴィ幸樹の5人。この試合から合流した渡邊が早速違いを見せつけた。セカンドチャンスから3ポイントシュートで先制点を挙げた渡邊はペイントタッチからのキックアウトで次々とノーマークのシュートチャンスを作り出し、ボールプッシュから自らもボースハンドダンクを決めるなど、NBAプレーヤーの実力を証明した。ゾーンを交え、チームディフェンスも機能した日本は21-7と最高のスタートを切った。
クリエイトできる渡邊がいない時間帯にオフェンスが停滞したが、ベンチから出場したベンドラメ礼生と張本天傑が流れを変えた。渡邊を戻したファーストプレーで張本が3ポイントシュートを決めると、ベンドラメは持ち味のドライブから張本の連続3ポイントシュートをお膳立てした。オフェンスが活性化した日本はリードを20点にまで拡大したが、その後は軽率なミスや、ゾーンディフェンスのローテーションミスも重なり、36-23と点差を詰められて前半を終えた。
修正をすべく後半立ち上がりから長い時間ゾーンを使うが、タフな3ポイントシュートをねじ込まれるなど、拮抗した時間が続いた。前半は渡邊がベンチに下がった時間帯に停滞することがあったが、後半はそれぞれが持ち味をしっかりと生かしリードを広げていく。比江島はステップバックの3ポイントシュートを沈めるなど個で打開できる稀有な存在であることを証明し、金丸は少ないシュートチャンスで確実に3ポイントシュートを成功させる。ベンドラメは攻守にアグレッシブなプレーで勢いをもたらし、張本も3番と4番をこなせる器用さを前面に押し出し、ベンチから流れを変える貴重な存在としての役割を果たした。
最終クォーター残り6分43秒、富樫勇樹がドライブで2人を引きつけ、渡邊のイージーダンクが決まり点差は再び20の大台に。その後も最後まで集中力を切らさず、ディフェンスも機能した日本が最終スコア79-58で勝利した。
ゲームハイの25得点を挙げた渡邊は「チームとしてディフェンスで足が動いていたし、リバウンドからの速攻だったり、ハーフコートでもみんながボールを動かして良いチームバスケができていたので、良い勝ちだったと思う」と試合を振り返った。