ミドルトン、ホリデー、ポーティスと活躍すべき選手が本領発揮
ホームで迎えたカンファレンスファイナル第5戦、バックスは開始2分で10-2とホークス相手に先手を取ると、ほとんどの時間帯で2桁のリードを保って123-112の完勝を収め、3勝2敗でNBAファイナル進出に王手を掛けた。
ホークスはトレイ・ヤングを足首の捻挫で、バックスはヤニス・アデトクンボを膝の過伸展で、ともにエースを欠く状況となった。第4戦の途中でアデトクンボがケガをすると、バックスの選手たちは士気喪失になってしまい、あっさりと負けていたが、その試合後にPJ・タッカーが「勝ちたい気持ちが出せていなかった」と檄を飛ばしたのが効いたのか、アデトクンボ不在でも素晴らしいパフォーマンスを見せた。
エースの穴を埋めるというよりは、アデトクンボにボールを預けるアイソレーションの選択肢がなくなったことで攻守の切り替えが早くなり、ペースが上がって試合展開そのものが変わった。そこでドリュー・ホリデー、ボビー・ポーティスが思い切りの良いアタックでチームを勢いに乗せた。
さらにバックス優位を決定的なものとしたのはブルック・ロペスのパフォーマンスだ。普段はアデトクンボのためのスペースメークにも意識を割き、柔軟に動いてチームオフェンスを生かしているロペスが、この日はゴール下にどっしりと構えて、クリント・カペラを始めとするホークスのインサイド陣を圧倒。PJ・タッカーはいつものように守備で奮闘し、クリス・ミドルトンはアデトクンボに代わって精神的にチームを引っ張った。
ロペスはプレーオフでのキャリアハイとなる33得点7リバウンド、先発に抜擢されたポーティスも同じくプレーオフでのキャリアハイとなる22得点に加えて8リバウンドを記録。ミドルトンは26得点13リバウンド8アシストとトリプル・ダブル級のスタッツを残し、ホリデーも25得点6リバウンド13アシストと、個々のタレントが持ち味を存分に発揮した。
試合後のロペスは、不甲斐ないパフォーマンスに終わった第4戦との違いについてこう語る。「今日は、試合開始から良い形でプレーできた。第3戦と第4戦は試合序盤のプレーがスローだったけど、今日は試合開始から攻守両面で相手を圧倒できた。その勢いを48分貫くことができた」
そしてロペスは続ける。「チームとして素晴らしいプレーができた。クリスとドリューは、いつもと変わらずチームメートのチャンスを作っていた。それぞれが、それぞれの役割をこなせていれば、相手も守りづらいものさ」
ミルウォーキーのファンは終始大いに盛り上がり、チームを勢いに乗せた。試合後も彼らはポーティスの名前を大きな声でチャントし、ロペスもポーティスについて「チームのために何でもやってくれる選手だ」と称えた。「観客を乗せて、沸かせてくれる。スティール、オフェンスリバウンドにアンドワンと、大きなプレーを決めてチームを盛り立て、観客を沸かせる。いつだってチームにエネルギーを与えてくれるんだ。本当に大好きな選手だよ」
バックスがNBAファイナル進出となれば、1974年以来のこと。敵地でそれを決めるか、ホークスが踏み留まるか。アトランタでの第6戦は、現地3日に行われる。