ジェイソン・キッド

クラブのレジェンドが続々と集結

マーベリックスは2005年からGMを務めたドニー・ネルソンが退団し、2008年からヘッドコーチを務めたリック・カーライルも辞任するなど、クラブは新たなフェーズを迎えた。そして、レイカーズのアシスタントコーチを務めていたジェイソン・キッドがヘッドコーチに、長年ナイキの役員を務めたニコ・ハリソンがGMに就任すると『ESPN』が報じた。

キッドはマーベリックスでキャリアをスタートさせ、グラント・ヒルとともに新人王を同時に受賞した。その後、移籍したサンズを強豪に押し上げ、リーダー不在のネッツを2シーズン連続でファイナルに進出させるなど、リーグトップクラスのポイントガードであることを証明した。その後、強豪チームへと成長したマブスに2008年に舞い戻ると、2011-12シーズンには自身3度目のファイナル挑戦の末にNBA優勝を勝ち取った。

2013年に現役を引退した後、キッドはネッツで指導者としてのキャリアをスタートさせる。その後、バックスを指揮した際にはチームを立て直すとともに、ヤニス・アデトクンボの才能を見出いした。直近の2シーズンはレイカーズのアシスタントコーチを務め、昨シーズンは指導者として初めてのNBAチャンピオンに輝いた。

レイカーズのレブロン・ジェームズはキッドのヘッドコーチ就任が決まり、「キッドを失うのは嫌だけど、同時に彼のために喜んでいる。キッドの幸運を祈っているよ」とTwitterに投稿している。

また、前任のカーライルは、ルカ・ドンチッチとキッドという最高のポイントガードを指導した観点から、自身の後任にキッドを推していた。「私はジェイソン・キッドがマーベリックスの次のコーチになることを望んでいる。それはルカにとっても、ジェイソンにとっても素晴らしい状況になると思う。この地球上でこの2人を指導したことがあり、バスケットボール選手としての彼らの特別な資質をすべて知っているのは私だけだ。あくまで個人的な意見だが、最高のカップルになるではずだ」

現役時代のキッドはガードながらもリバウンドに参加してトランジションを繰り出していた。当時は現代以上に難しいとされるトリプル・ダブルを量産していたため『Mr.トリプル・ダブル』という異名で呼ばれた。トリプル・ダブルを量産するドンチッチと通ずるものがあり、カーライルがキッドを推す理由もうなずける。また、キッドは元チームメートであり、マブスでともに優勝を勝ち取ったJJ・バレアをコーチングスタッフに加えようと動いているという。バレアはマブスにとって特別な存在であり、ドンチッチとも信頼関係を築いている。クラブのフロントに不満を持っていると噂されたドンチッチだが、バレアの入閣はその問題を解決してくれるだろう。

先日、マブスはチームのレジェンドであるダーク・ノビツキーがスペシャルアドバイザーとしてチームに復帰することを発表した。球団副社長を務めるマイケル・フィンリーはノビツキーと長年プレーし、クラブの礎を築いた人物。一時代を築いたレジェンドたちが集結することになったマブスの未来は明るい。