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「今こそ団結して、バトンルージュの強さを見せる時だ」

8月中旬、ルイジアナ州は何日も続く記録的な大雨による大規模洪水に見舞われ、州知事は非常事態宣言を出した。6名の死者を出し、2万人もの住民が自宅からの避難を余儀なくされた。

今オフにキングスと契約したギャレット・テンプルはルイジアナ州バトンルージュの出身。彼は被害状況を知るとすぐに地元に戻り、行動を開始した。

テンプルは、『sacbee.com』に、当時の状況を語っている。「とても厳しい状況だった。地元に戻ったら、まだ水位が180cmを超えている地域もあった。水没している家だって何軒も見た」

テンプルがまず取った行動は、家を失った友人やその家族に向けて自宅を開放したことだった。水位が下がると今度は、毛布や衣類、食料品などを買い込み、シェルターに避難している人に物資を届けて回った。そして再び水位が上がり始めてからは、二次災害対策として友人宅の前に土嚢を積んだ。さらにはNBA選手協会にも働きかけ、1万5000ドル(約153万円)を災害救済金として寄付するなど、迅速に行動した。

テンプルは、「今こそルイジアナ州内の人と人との繋がりを取り戻すべき」と考えている。

今年の7月、白人警官が黒人男性を取り押さえた上で射殺した事件がきっかけとなり、報復として黒人が警官を殺害する事件が発生した。テンプルは、今回の災害後に団結することで、こうした負の連鎖、人種間の差別、争いを乗り越える契機になれればと言う。

「警察官による射殺事件がきっかけとなって、僕たちの地元は二分されてしまった。でも今回の洪水は、白人社会、黒人社会、富裕層、貧困層に関係なく起こったこと。今こそ団結して、バトンルージュの強さを見せる時だ。今回の災害が、割れてしまった街を一つにして、以前よりも強いコミュニティを作るきっかけになるかもしれない」

最近アメリカ国内で見られる人種間の衝突、銃犯罪による被害は、増加傾向にある。NFLスター選手のコリン・キャパニックのように、試合前の国歌斉唱中に片膝を地面につける抗議行動を取る者もいれば、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ポール、カーメロ・アンソニーのように、公の場で無益な暴力根絶を強く訴えるなど、大きな影響力を持つアスリートが立ち上がるケースも増えた。

テンプルの主張通り、復興を通じて再び地域が一つになることを願うばかりだ。

アメリカ国内の人種問題について言及する4選手。NBAはこのような社会問題を軽視せず常にメッセージを発信し続けている。