金丸晃輔

「空いたらシュートを全部打つという強い意志を持っています」

バスケットボール男子日本代表は6月16日にフィリピンでスタートするアジアカップ予選に向け、強化合宿を行っている。

金丸晃輔は、2017年の秋にワールドカップアジア予選の予備登録メンバー(24名)に選ばれたのを最後に、日本代表から遠のいていた。しかし、2020年2月に久しぶりに代表チームに招集されると、その後は11月の代表合宿、そして今回のアジアカップ予選と東京オリンピックに向けた代表候補にも選出されている。

今までもBリーグではベストフリースロー成功率賞とベスト5に4年連続で選出されていたが代表からは長らく離れていたこともあり、合宿に呼ばれるたびに「また呼んでもらえた」と金丸は語っていたが、今は違う。「今シーズンはMVPを取れて、自分の中でもそれが自信に変わりました。今まではお客さんみたいな感じで代表に入っていた部分が多少はありましたが、MVPを取ったことで僕の中のそういう部分が少しずつ減ってきています」

こう語ると、金丸はオリンピックに対する熱い思いを語った。「僕自身、代表活動に関しては、その後のことを全く考えていないぐらい、このオリンピックに懸けています。そのためにはアジアカップ予選、その後の合宿、親善試合でしっかりアピールしないといけません」

その金丸の武器と言えば、『精密機械』と形容される3ポイントシュートだ。特に今シーズンはキャリアで2番目に高い数字となる3ポイントシュート成功率46.6%(307本中143本成功)を記録した。

金丸自身も「僕が試合に出るということは、3ポイントシュートを狙ってほしいということ」と自身の役割を理解している。それでも所属するシーホース三河と日本代表ではシュートまでの持って行き方が異なる。

「三河だと動いて動いてスクリーンを使って隙が空いたら打ちますが、代表はそういうスタイルではありません。スペーシングを大事にしていて、スペースがあるところでピック&ロールをして、そこからプレーが始まるのでキックアウトがきたら全部狙っていこうと思います」

「ワールドカップの試合を見ても、世界では簡単にシュートを打たせてもらえないし、その前に激しくディナイされてボールすら簡単にもらえる状況ではありません。『シュートを打つ』と言うことは簡単ですが、実践するのは難しいです。それでも、もらう前のスクリーンの意識を強くもって、空いたら全部打つという強い意志を持っています」

金丸が日本代表のシステムにフィットし、自身の才能を存分に発揮できるようになれば、日本にとってこれほど力強いものはない。アジアカップ予選、そしてオリンピックに向けた金丸の挑戦に期待したい。