カワイ・レナード

ドンチッチは46得点を挙げるも、勝負どころで失速

ここまでの6試合、すべてホームチームが敗れたのはNBA史上初。それでも最後はホームのクリッパーズが勝利し、『GAME7』にまでもつれたマーベリックスのファーストラウンドは決着した。

前半は拮抗し、最後にクリッパーズがリードを8点まで広げたものの、後半すぐにドリアン・フィニー・スミス、ティム・ハーダウェイJr.の3ポイントシュート攻勢でマブスが逆転し、後半開始5分でクリスタプス・ポルジンギスのプルアップが決まったところで81-76とリードする。この間、マブスが決めた8本のシュートのうち、ルカ・ドンチッチは1本を決めて5本をアシストと、完全に試合を支配していた。

だが、エース対決となればカワイ・レナードも黙ってはいない。タフなディフェンスでマブスの勢いを断ち切っては反撃に転じ、マーカス・モリスの2本の3ポイントシュート成功を含む12-0のランで引っくり返した。

エース対決は終盤まで続くかと思われたが、ドンチッチはここでガス欠に。闘志は空回りしてフラストレーションとなってしまう。これまでの試合でも見られたマブスの負けパターンで、勝負どころでドンチッチがさらなる力を出すべきなのか、そこまでの負担が多すぎるのか、いずれにしても大事な場面でドンチッチは精彩を欠いた。他のメンバーは激しさを前面に押し出してエースの奮起を待ったが、それはやって来なかった。前半に29得点を挙げた勢いを失い、後半は17得点。試合を通じて46得点7リバウンド14アシストは素晴らしいスタッツだが、ペース配分には問題があったと言わざるを得ない。

クリッパーズではカワイの得点は28に留まったが、ポール・ジョージが22得点、モリスが23得点、他にも4選手が2桁得点とオフェンスのバランスが良く、ディフェンスでも最も負担の大きいドンチッチのマークをベンチから出たテレンス・マンが見事に務め上げており、チームの総合力で上回ったことに加え、勝敗を左右する時間帯にはカワイが攻守で際立った力を発揮した。

攻守両面で高いパフォーマンスを安定して発揮でき、プレーオフの重要な試合、その重要な場面でさらにギアを一段階上げられるカワイの面目躍如という試合だった。連敗スタートから盛り返し、GAME7を制したことを「僕らはあきらめないチームだから」と彼は振り返る。カンファレンスセミファイナルの相手は第1シードのジャズ。1日だけの休養日を挟み、現地6月8日に初戦を迎える。