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プレーオフに注目が集まる一方、失意のシーズンを過ごしたチームは改革に着手。

レギュラーシーズンの全日程を終え、NBAはプレーオフ一色のムードに変わった。そんな中、プレーオフ進出を逃したチームは来シーズンに向け始動している。4月14日、成績不振を理由にウィザーズとキングスが、それぞれ指揮官交代を発表した。

ウィザーズはレギュラーシーズン41勝41敗、東10位で今シーズンを終了。2012年1月24日にアシスタントコートから昇格する形でヘッドコーチになったランディ・ウィットマンは、ポイントガードのジョン・ウォールを中心としたチーム作りを進め、2014年と2015年にはチームをプレーオフ準決勝へと導いた。

しかし、今シーズンはプレーオフ進出を逃し、チームの成長も鈍化。最終戦を終えた時点で、指揮官交代の決断が下された。就任から4シーズン半、低迷していたチームを立て直し、178勝199敗(勝率47.2%)という戦績を残したウィットマンについて、球団社長のアーニー・グランフェルドはその功績を称えながら、来季の契約を結ばないという決断を次のように説明している。

「ここ2シーズンの成功もあり、今シーズンは開幕前から期待も高かったのだが、残念ながら、特にホームコートでの不振により期待に応えられず、ヘッドコーチの交代が必要と判断した」

豊富な経験を持つカールだが、キングスでは彼の方法論がうまく機能しなかった。

キングスとウルブズも指揮官交代、ブルズは粛清人事へ?

33勝49敗で西カンファレンスの9位に終わったキングスも、ヘッドコーチのジョージ・カールを解任した。

過去にはキャバリアーズ(1984-86)、ウォリアーズ(1986-88)、スーパーソニックス(1991-98/現サンダー)、バックス(1998-2003)、ナゲッツ(2004-13)でも指揮を執ったベテラン指揮官は、ヘッドコーチの通算勝利数で歴代5位の1175勝を挙げている。

ナゲッツでのカールは、カーメロ・アンソニーをNBAでも指折りのスター選手へと育て上げたが、キングスではデマーカス・カズンズの扱いに苦労した。フロントとの協力関係が築けなかったこともあるが、いずれにしても古豪キングスの再建に失敗したと見なされ、サクラメントを離れることになった。

また29勝53敗で西13位に終わったティンバーウルブズも、暫定ヘッドコーチとして今シーズンの指揮を執ったサム・ミッチェルを解任し、新ヘッドコーチの選定に入ったことを明らかにした。

そして開幕時点では大きく期待されながら、失意のシーズンを過ごしたブルズは、球団首脳が大規模なチーム改革に乗り出すと宣言。この時期にシーズンが終わることに慣れていないだけに、そのショックは大きな波となりそうだ。

レギュラーシーズンが終わったばかりだが、プレーオフ進出を逃したチームの戦いは、すでに始まっている。