大阪のディフェンスに苦しみ、ターンオーバーを連発
Bリーグチャンピオンシップクォーターファイナル、大阪エヴェッサvs川崎ブレイブサンダースのGAME2は後半にディフェンスを締め直し、選手層の厚さで上回った川崎が84-73勝利し、セミファイナルへ駒を進めた。
序盤は拮抗した展開が続く。川崎はビッグラインナップで生まれるミスマッチを突きジョーダン・ヒースが連続得点を挙げ、ニック・ファジーカスがスムーズなボールムーブからフィニッシャーとなり、得意のフローターを沈めていく。
一方の大阪は角野亮伍が積極的にアタックし、カットインからイージーシュートを決めるなど、第1クォーターだけで8得点を挙げる活躍で対抗した。
大阪は2点ビハインドで第2クォーターを迎えたが、ディージェイ・ニュービルの本領発揮で逆転に成功。ニュービルは素早いモーションから迷いなくシュートを放ち、3本の3ポイントシュートをすべて沈めた。また、ディフェンスでもフィジカルの強さで高さのミスマッチを帳消しにし、川崎にアドバンテージを与えなかった。
大阪は得点に直結するパスを簡単に通されることもあったが、それ以上にボールに手を引っかけてターンオーバーを誘い、そこからトランジションで得点する場面が多かった。テーマに掲げる『走るバスケ』を体現しリズムに乗った大阪は、アイラ・ブラウンが自らのスティールから速攻でダンクを叩き込み、44-38とリードして前半を終えた。
結果に直結したプレータイムの差
後半に入ると、川崎が徐々にペースを握る。特にピック&ロールからズレを作り、ファジーカスを軸にオフェンスを展開した篠山竜青のゲームメークと試合巧者ぶりが冴えた。残り3分を切り、篠山のミドルシュートで逆転に成功すると、マティアス・カルファニが速攻からバスケット・カウントを誘発し突き放しにかかる。
そして、最終クォーターに入ると、これまで沈黙していた藤井祐眞が違いを生みだす。積極的にドライブを仕掛け、2分間で2つのファウルを誘発し、中村浩陸をファウルアウトに追いやると、2本連続で3ポイントシュートを沈めて一気に9点のリードを奪った。直後、ファジーカスの得点で点差を2桁に乗せると、残り4分半で大阪のチームファウルが5に達したことも影響し、10点前後のリードを保ったまま押し切った。
川崎は30分以上プレーしたのがファジーカスのみだったのに対し、大阪は先発の5人中4人のプレータイムが35分以上と、タイムシェアに大きな違いが見られた。その結果、川崎は最後までペースを落とすことなく主導権を握り続けた。また、ニュービルの個人技を止めるのに苦しんだものの、長谷川技を筆頭に3ポイントシュートを打たせないディフェンスを徹底したことで、ニュービルのシュートアテンプトを減らした。そして、ニュービルからパスを受けた他の選手が決めきれなかったことで、後半の大阪の得点は29と点数が伸び悩んだ。
結果的に選手層の厚さも勝敗に大きく影響した。セミファイナルの相手は川崎と同様に選手の厚い宇都宮ブレックス。総力戦となることは間違いない。