大事な初戦で勝利に貢献「この1週間の準備が良かった」
琉球ゴールデンキングスは、富山グラウシーズを本拠地で迎え撃つチャンピオンシップのクォーターファイナル初戦で92-75と快勝した。34得点のドウェイン・エバンスとともに、勝利の大きな立役者となったのが今シーズン最多となる27得点5リバウンドを挙げた今村佳太だ。
この試合、今村は3ポイントシュート10本中5本成功と外から射抜くだけでなく、富山ディフェンスの穴となっていたミドルレンジから確率良くフローターを決めた。ただ、振り返れば5月5日、8日、9日に行われたレギュラーシーズン最後の3試合において、今村は3試合ともにフィールドゴール成功率は30%以下と、シュートタッチは良くなかった。
しかし、昨日の練習できっかけをつかんだことが今日の爆発に繋がった。今村は言う。「昨日のシューティングの時から自分の中でつかんでいたものがありました。今日もしっくりきて、自信をもってやれていました。冷静にプレーできたのも良かったと思います」
琉球はレギュラーシーズンの最後すでに西地区優勝を決めたとはいえ2勝5敗と黒星先行で終了。「正直、西地区優勝を達成し、チャンピオンシップのホーム開催が決定している中、コンディショニングを意識しながらの試合でした。ただ、しっかり戦い抜いたかと言われると、そうではなかったです。もうちょっと戦えるところはあって、レギュラーシーズンの終わり方は良くはなかったです」と今村が語るように、必勝体制で臨んでいたわけではなくても内容に反省すべき点は少なくなかった。
そんな1週間前の不安を払拭する快勝の理由を今村はこう語る。「しっかり集中できていて、この1週間の準備が良かった。チーム全体で今日の試合に向けてしっかりプロセスを踏めたのが大きな勝因です」
「見返してやろう、と声掛けをしてくれたのがありがたかった」
ちなみに今村にとって、今日の活躍はチームの勝利に大きく貢献したこと以外にも大きな意味を持つものとなった。
昨日、東京オリンピックに向けた日本代表候補20名が発表されたが、前回の32名から人数が絞り込まれる段階で今村は残ることができなかった。「落選はSNSで知りましたが、本当に悔しかったです」と気持ちを明かすが、そこで落ち込むのではなくモチベーションに変えたのが爆発に繋がった。
「ハングリー精神ではないですが、ここから見返してやろうというメンタリティになりました」
また、反骨心を強く持てたのは周囲の支えもあってこそと彼は強調する。「スタッフの皆さんやチームメートが『見返してやろう』と声掛けをしてくれたのがありがたかったですし、すごく大きかったです」
図らずも今日、沖縄アリーナには東野智弥JBA技術委員長が視察に訪れており、これ以上ない舞台で自身の力を証明したことになった。ただ、当然のことだが1試合で結果を残しただけで今村は満足していない。
「まだ自分たちの目標としているステージには到達していないです。チャンピオンシップは今日のプレーをいかに継続できるかが大事なのでまた切り替えて明日、頑張っていきたいと思います」
今村がこのパフォーマンスを継続していくことができれば、目指す代表復帰はより現実のものとなってくる。それは琉球が目指す王座に近づくことをも意味している。