7位転落もテイタムは「大事なのは動じないこと」
激戦となった東カンファレンスで大苦戦を強いられているのがセルティックスだ。5月2日にはトレイルブレイザーズに119-129で敗れたが、ゴールテンディングの判定にチャレンジしようとしたところで要求が遅いと却下され、マーカス・スマートがユフス・ヌルキッチの股間にパンチを見舞って退場処分となり、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの両エースがディフェンスの際に衝突して痛むなど、いろんな意味で噛み合わない末の敗戦となった。
これでセルティックスは7位に転落。5位のホークスとヒートとは1ゲーム差で、ヒートとは直接対決が2試合あるため挽回のチャンスは十分にあるが、プレーイン・トーナメントに回る順位に落ちてしまっては安穏としてはいられない。ケンバ・ウォーカーが復帰してチームは上昇気流に乗ったかに思われたが、ケンバは脇腹の筋肉を傷めて再び戦線離脱。プレーオフにどれだけのコンディションで臨めるか分からない状況になってきた。
そんなチームにとって数少ないプラス要素がエバン・フォーニエの復調だ。マジックからトレードで加入した彼には、ケンバの状態が万全ではない中でマーカス・スマートとともにバックコートを支える働きが期待されたのだが、チーム合流から4試合に出場したところで新型コロナウイルスに感染し、半月以上の戦線離脱を強いられた。「4日か5日はほとんどベッドから出ることができず、練習を再開させた時にはひどく体力が落ちていると感じた」と言うフォーニエは、無理をして復帰することで遅れを取り戻そうとしている。
「あとは良くなるだけだから心配はしていないけど、移籍したばかりのタイミングというのは最悪だった。僕はキャリアで初めてプレーオフで勝ち進むチャンスを得たと言っていい。今回の移籍で僕は大きなチャンスを得たと思っている。だけど、ただでさえチームにフィットし、チームメートのことを知って僕を知ってもらう時間が足りないのに、コロナになってしまった。正直に言えば予定はかなり狂った。でも、僕は精神的に強い男のつもりだ。乗り越えてみせるよ」
そのフォーニエは先発出場で34分間プレーし、21得点5リバウンド3アシスト2スティールと攻守に活躍。勝利には届かなかったが、コンディションが戻らないまま強行出場を続ける中で、無理やりに調子を上げて、チームへの順応を進めている。ケンバのコンディションは大きな不安要素だけに、チームにとってもフォーニエの復調は非常に重要だ。
レギュラーシーズンは残り7試合。今世紀に入ってプレーオフ進出を逃したのは3度だけで、ここ4シーズンで3度のカンファレンス決勝進出を果たしている名門にとって、プレーオフ進出は最低限のノルマだ。『成功して当然』のミッションにしては状況は厳しいと言わざるを得ないが、チームは何とか浮足立つことなく残り試合にフォーカスしている。
若きエースへと成長したテイタムは言う。「マインドセットとして大事なのは動じないこと。今日負けたからと言って、慌てて何かを変えるべきじゃない。マジック戦とブルズ戦の遠征に向けて、いつも通りにベストの準備をすることだ」