ディージェイ・ニュービル

それでも名古屋Dが敗れたことで、初のチャンピオンシップ進出が決定

初のチャンピオンシップ進出に向けてマジック1となっている大阪エヴェッサが、滋賀レイクスターズをホームに迎えた。新型コロナウイルスの影響で1カ月に渡り実戦から遠ざかったが、先週末は三遠ネオフェニックスとの連戦、3日前には横浜ビー・コルセアーズとの水曜ナイトゲームで3連勝し、選手たちも試合勘を取り戻したところ。無観客とはなったが本拠地のおおきにアリーナ舞洲で決めたいところだった。

その大阪は立ち上がりからトランジションのスピードを上げ、得意の『走る展開』に持ち込む。点の取り合いで上回るのだが、プレーの精度に難があってターンオーバーを連発したり、リバウンドの意識が低くて相手にセカンドチャンスポイントを許すなど締まらない部分があり、リードを広げられそうで広げられない第1クォーターとなった。

19-18で迎えた第2クォーターの頭から、ジョシュ・ハレルソンとギャレット・スタツを同時起用し、3番に帰化選手のアイラ・ブラウン、2番に198cmのエリエット・ドンリーを起用する『超ビッグラインナップを敷く。相手の滋賀には帰化選手がおらずサイズ不足のため、高さとパワーで試合の流れを一気に引き寄せるつもりだった。ところがこの采配が裏目に出た。持ち味の展開の速さが消えて、滋賀のスピードに振り回されることに。4分弱で2-13と圧倒され、ディージェイ・ニュービルをコートに戻すが、一度崩れたリズムをなかなか立て直せない。さらには伊藤達哉が個人3つ目のファウルで、アイラはゴール下の混戦で相手の手が目に入ってベンチに戻ることになった。

しかし、前半ラスト30秒で角野亮伍が連続得点を挙げ、この良い流れを第3クォーターにも繋いだ。ビッグラインナップでは迷いのあったドンリーも思い切り良くアタックすることで、第1クォーターのように点の取り合いに持ち込んで上回り、点差を詰めていく。

第4クォーター残り8分、後半になってプレーしていなかったアイラ、しばらく休んでいたニュービルを戻して勝負に出た時には57-67と10点差。クラッチプレーヤーのニュービルを軸とする大阪の終盤の勝負強さからすれば射程圏内だったはずだが、そのニュービルがオクテウスの徹底マークに封じられた。自陣からピタリと張り付くオクテウスのディフェンスに対し、追い上げた第3クォーターには自ら攻めるのではなくパスをさばいていたニュービルだが、この場面は時間と点差を考えると仕掛ける必要があった。それが無理な攻めに繋がり、オフェンスを停滞させた。さらにコートに戻ったアイラは左目を気にしており、シュートの距離感がつかめないようだった。

第4クォーター残り2分半、ボールを運ぶニュービルに対してオクテウスとハミルトンがブリッツを仕掛けてボール奪取。そこからオクテウスの速攻はハリーバックしたドンリーが防いだものの、リバウンドをハミルトンに拾われて失点して66-80に。勝負のラスト8分で得点わずか11と爆発力を封じられた大阪は、最終スコア68-84で敗れた。

滋賀はこれで今シーズン最長の3連勝。オクテウスは自らボールを持って仕掛けることで攻撃の起点となり、攻めきれずにショットクロックがない場面のアタックも引き受けながら、フィールドゴール18本中11本成功の29得点を記録。先述したようにニュービルを抑える役割も果たして勝利の立役者となった。

一方の大阪は超ビッグラインナップからリズムを崩した自滅の感が強いが、ニュービルが抑えられた時の攻め手のなさ、トランジションに意識が行き過ぎて20ものセカンドチャンスポイントを奪われたことは今後の課題となる。それでも、同じ時間帯で試合をしていた名古屋ダイヤモンドドルフィンズが琉球ゴールデンキングスに敗れた結果を受けて、大阪はチャンピオンシップ進出を決めた。