ティム・ハーダウェイJr.

ポルジンギスが負傷退場するピンチに勝負強さを発揮

ピストンズvsマーベリックスの一戦はジェレミー・グラントとルカ・ドンチッチと、ともにエースを欠いた。その中で、ティム・ハーダウェイJr.がキャリアハイの42得点を挙げたマブスが終盤に突き放し、115-105で勝利した。

マブスは左足首の捻挫で3試合を欠場していたクリスタプス・ポルジンギスが4試合ぶりに復帰。左ひじを負傷したドンチッチが欠場したため、第2の得点頭であるポルジンギスに期待がかかったが、アクシデントに見舞われた。第3クォーター残り残り4分20秒、右膝に痛みを感じたポルジンギスはボバン・マリヤノビッチと交代し、その後コートに戻ってくることはなかった。21分間の出場で11得点と及第点以上の働きを見せていたポルジンギスを失ったマブスだったが、ここでハーダウェイJr.が奮起した。

マブスは3点リードして最終クォーターを迎えたが、セカンドユニットの時間帯に逆転を許し、残り8分17秒にハーダウェイJr.をコートに戻した。残り5分32秒、ハーダウェイJr.は同点に追いつくミドルシュートを沈めると、そこからオフェンスを牽引。2度の3ポイントシュートファウルを誘発し、フリースリーもパーフェクトに沈め、残り1分4秒にはこの日6本目の3ポイントシュートを成功させ、リードを2ポゼッション差に広げた。そして、連続でターンオーバーを誘発したマブスが接戦を制した。

ハーダウェイJr.は36分間の出場で10本中6本の3ポイントシュート成功を含む、42得点3アシストを記録。特に終盤の約4分間で17連続得点を挙げるなど、エースを欠いたチームを引っ張った。この活躍には指揮官のリック・カーライルも脱帽するしかなかった。

「ピストンズはハードにプレーするチームで、リングに向かってアタックし続けていた。非常に難しい試合だったが、彼に乗っかったことで勝利することができた」

勝利の立役者となったハーダウェイJr.は「誰かがいないなら代わりにその穴を埋めてやる、というメンタリティでプレーしただけ」と語ったが、見事にチームの危機を救った。また、「僕が思うに、彼らが健康でいることが一番の優先事項なんだ」とも語り、自身のパフォーマンスよりも、途中退場となったポルジンギスやドンチッチの復帰がチームにとって一番重要だと主張した。

今シーズンはどのチームもケガ人続出に苦しむ中、マブスでも出場試合が60試合を超えているのはハーダウェイJr.しかいない。カーライルヘッドコーチは「彼はこのチームの鉄人」と称するとともに、「彼をどこかのゲームで休ませようと話しているが、今日は彼のホームのミシガンだったからそうはならなかった」と明かした。

気になるのはポルジンギスの膝の具合だが、カーライルヘッドコーチは「重大な問題ではないことを祈りたい」とだけ語った。シーズン終盤にきて、ドンチッチとポルジンギスの2人が欠場する事態は避けたいところ。それでも、ハーダウェイJr.が今日のようなパフォーマンスを続けることができれば、2人の負担も減り、最高の状態でプレーオフ争いに臨むことができる。