マイルズ・ターナー

写真=Getty Images

食生活を改善し、生活スタイルも一変させた成果

ペイサーズのマイルズ・ターナーは、2年目まで順調にNBA選手としての階段を昇り続けた。しかし、3年目の昨シーズンは個人スタッツが落ちたばかりか、チームにとって最も重要な一戦で失態を見せてしまった。

4月29日にクイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたキャバリアーズとの東カンファレンス・ファーストラウンド第7戦、ターナーは第4クォーター残り4分33秒の時点でファウルアウトになってしまい、チームは101-105で敗れた。レブロン・ジェームズのチームをあと一歩のところまで追いつめただけに、もしターナーが終盤もコートに立っていたら、結果は違っていたかもしれない。

シーズンオフに入ると、ターナーは早速4年目のシーズンに向けて準備を始めた。彼が取り組んでいるのは、ヴィンヤサフローヨガと呼ばれるヨガで、伝統的なヨガを基本にアメリカで生まれたスタイルのヨガだ。特徴としては、力強いポーズが多く呼吸に連動させて動いていくため、コアマッスルを鍛えられる。また、他のヨガにも共通しているように、集中力と精神力が鍛えられるとも言われている。一般的な体型の人間でも難しいポーズを、7フッター(213cm)に近いビッグマンが見事にこなしているのだから、改めてその身体能力の高さに驚かされる。

ターナーは、6月中旬にヨガの効果を如実に表す画像をTwitterに投稿。たった5週間ながら、その肉体のビフォア・アフターの違いが話題になった。

ターナーは『ESPN』に、オフに入ってからファストフードを断ち、パーソナルシェフを雇って決められた時間に食事を摂っていると語った。また、生活スタイルも一変させ、今は早朝に起きてトレーニングをこなし、週に2、3回ヨガのレッスンを続けているという。

ターナーは「去年、自分の身体を鏡で見たら、ずんぐりしていた。以前より疲れやすくなっていたんだけれど、その原因は食生活にあった。試合の前夜にピザのようなファストフードを食べていたからね」と話す。

「周りから食生活については言われていたんだけれど、昨シーズンから影響が出始めた。年齢とともに代謝も悪くなっているしね。すぐ疲れてしまうようになっていたんだ」

ターナーはまだ22歳だが、試合前夜に脂っこいファストフードを食べる習慣が続けば、身体にも、パフォーマンスにも影響が出るのも納得がいく。来シーズン終了後にルーキー契約を満了するターナーにとって、新シーズンは勝負の年だ。それに、レブロンがレイカーズに移籍した今、ペイサーズも東の強豪という立ち位置となる。

ターナーは「あのモンスター(レブロン)がいなくなったわけだから、東の競争もオープンになるよ」と言う。「激しい競争になると思うけれど、もうファーストラウンドで負けるのはうんざり。3年続けてファーストラウンドで負けてしまったからね」

ターナーは、年々3ポイントシュートにも力を入れているものの、4年目のシーズンでは守備力を向上させたいと話している。

「可能な限り守備でもベストな選手になりたい。点は取れるし、オフェンスは自然についてくる。でも、相手のピック・アンド・ロールに上手く対応できるようになりたいし、スイッチにも対応したい。リム周辺を制圧したい。インサイドの守備のアンカーになりたいんだ」

昨シーズンを通じてビクター・オラディポがエースに成長した今、ペイサーズにはプレーオフでファーストラウンドより上のステージに進めるだけの力はある。ターナーが4年目に大ブレークを果たすことができれば、NBAファイナル進出だって夢ではない。心身ともにレベルアップしたターナーは、来シーズンの東で注目すべき選手の一人だ。