トバイアス・ハリス「こういった挑戦はチームにとって良いものになる」
現地4月14日に行われたセブンティシクサーズvsネッツは、ジョエル・エンビードを始め主力が勝負どころで力を発揮したシクサーズが123-117で勝利した。東カンファレンスの首位決戦であり、1勝1敗で迎えた最後の直接対決だけに、勝った側は勝率で並んだ際に上位シードを得られる大事な一戦。そこにシクサーズは全力を投じてきたが、逆にネッツはハムストリング痛のジェームズ・ハーデンだけでなく、ケビン・デュラントとブレイク・グリフィンも休ませた。
ランドリー・シャメット、ブルース・ブラウン、ニコラス・クラクストン、ティモテイ・ルワウ・キャバロといったサポートキャストの奮闘で、長くビハインドを背負う展開ながら終盤に1ポゼッション差まで追い上げたが、最後は地力の差が出た。それでもヘッドコーチのドック・リバースは「プレーオフになれば別物だよ。我々だって準備はするが、次に当たる時は彼らは別のチームだと考えなければ」と、この勝利をさほど喜ばなかった。
ネッツはレギュラーシーズンを通じて、選手に無理をさせず良好なコンディションを保つことを優先している。今回もプレーオフの予行演習としてケミストリーを高めるには最適の機会だったが、自分たちのやり方は変えなかった。シクサーズにスカウティングをさせたくなかったのかもしれないが、ネッツの指揮官スティーブ・ナッシュは「戦略的な判断ではない。これが我々の持つ力なんだ。第1シードを獲得できれば素晴らしいが、そのために選手をケガさせたり、ケガを長引かせたりすることは避けたかった」と説明している。
タイブレークを考えればシクサーズにとっては2勝に等しい勝利だったが、これで東の1位が確定したわけではない。ネッツだけが例外で、他のチームと同様にシクサーズも長く続く過密日程でどの選手もコンディションに難を抱えながら戦い続けている。しかも4月の残り8試合の対戦相手は難敵揃い。クリッパーズ、ウォリアーズ、サンズとホームゲームが続き、敵地でのバックスとの連戦、サンダーを挟んでホークスとの連戦と、8試合中6試合がカンファレンス4位以内に入るタフな相手との試合だ。
トバイアス・ハリスも膝の痛みと折り合いを付けながらのプレーを余儀なくされているが、ネッツ戦でエンビードの39得点に続く26得点を記録。「試合と同じぐらい、試合後のケアと休養が大事になってくる。やるべきことをやって、膝の状態が明日とその先に良くなっていればいいんだけど」と、この時期の難しさを語るが、それに前向きに取り組んでもいる。「僕らは毎晩それぞれ自分の仕事をこなさなければならない。強敵との対戦が続くから油断はできないけど、試合のたびに挑戦して、やるべきことをやるんだ。大変なのは間違いないけど、こういった挑戦はチームにとって良いものになるし、受け入れなきゃならない」
エンビードは「フィリーでの試合ではファンの後押しを受けられる。僕はここに来てからずっと、プレーを楽しみ、ファンを楽しませたいと思ってやっている。その思いが110%の力を出させてくれるんだ」とホームコートアドバンテージの重要さを語る。ここから次第に『プレーオフの雰囲気』が増すだろうが、レギュラーシーズンも最後まで目が離せない。