ビッグラインナップは「我慢して乗り越える力を伸ばしたい」
川崎ブレイブサンダースが4月10日、ホームで秋田ノーザンハピネッツと対戦。サイズでの圧倒的優位を生かし、ニック・ファジーカスの31得点を筆頭にペイント内得点で50-28とゴール下を支配した川崎が82-55と快勝し、連勝を7に伸ばした。
試合の出だしは互角となったが、第1クォーター終盤にファジーカスの連続得点に加え、相手のファウルがかさんだことで得たフリースローなどで川崎が突き放し7点のリードを奪う。第2クォーターに入ると、川崎は藤井祐眞、青木保憲、増田啓介、パブロ・アギラール、ジョーダン・ヒースと機動力と運動量により長けたユニットが躍動する。
まず、トラップディフェンスによるプレッシャーで相手のトラベリングを誘発すると、ヒースのブロックから藤井のボールプッシュに繋ぎ、最後は青木がレイアップを沈める。さらに直後のポゼッションで藤井がスティールを奪いヒースのダンクで川崎がリードを12点に広げると秋田はたまわずタイムアウトを取る。だが、辻直人の4ポイントプレーが飛び出すなど川崎の勢いは止まらず。前半で44-22と大きく突き放した。
第3クォーター、川崎はファジーカスと外国籍2人のビッグラインアップでスタートをきるがパスミスに加え、速攻を許すなどうまく機能せず。この隙を突かれて16得点を挙げた大浦颯太のレイアップ、3ポイントシュートにより48-33まで追い上げられたが、その後は通常ラインアップに戻して流れをつかみ、このまま余裕の展開で逃げ切った。
川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは試合をこう総括する。「前半はウチのディフェンスが効いてトランジションも出てスムーズにゲームコントロールできましたが、後半は相手のディフェンスの戦術の変化に対応するのに少し時間がかかってしまいました。試合中にしっかり対応して攻めるポイントを共有し、もう一回ディフェンスを締め直して、第4クォーターを10点に抑えたのが勝ちきれた要因だと思います」
この指揮官が反省点に挙げた後半の出だしでつまずいた原因は、「内容はダメでした。我慢して使ったのが正直なところです」と振り返るビッグラインアップの不発だ。天皇杯制覇をもたらした強力なオプションである一方、この布陣はまだまだ安定感に欠け諸刃の剣であることを示した。
しかしリーグ制覇のためには、このオプションの完成度をさらに高めたい。「自分たちで解決せず、ダメだからすぐに変えるとなると武器になっていかないです。我慢して乗り越える力を伸ばしたいと思います。成長するにはポゼッションを積み重ねていくしかない。そこで出た課題を細かく修正していきたいと思います」と指揮官は語った。
決定力不足の秋田「単純にシュートの質の違いが出ました」
一方、秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「40分間、戦う姿勢を見せてくれましたが、その中でどうやって質を上げていけるのか。サイズでどうしてもやられてしまう部分はありますが、自分たちはファイトするしかないです。明日、反省して切り替えてもう1回、チームとしてチャレンジしたい」と語る。
秋田は得意の平面での激しいプレッシャーで12スティールを奪い、川崎は17ターンオーバーを喫した。ただ、ターンオーバーからの得点は川崎の18に対して9に留まるなど、守備から勢いをつけることができずに得点は55に留まった。
「ディフェンスで良かった部分が数字に出ているのは前向きですが、単純にシュートの質の違いが出ました。チームで作れているシュートはありましたが、これが入ってこないとしんどいです」
こう前田ヘッドコーチが語るように、秋田としてはチームで作ったオープンショットをいかに決め切れるかがリベンジに最も必要なプラスアルファとなる。
地区優勝をあきらめない川崎にとっては、残り試合は「とにかく一つも落とせない。勝ち続けるしかない」(佐藤ヘッドコーチ)という崖っぷちだ。また、1月下旬に行った前回の対戦では初戦を制した後、翌日に良いところなく負けたことから「前回の秋田戦、ゲーム2では出だしからガンガンやられたので、同じことを繰り返さないように良い準備をしたいと思います」と指揮官は気を引き締める。4月17日、18日に予定されている千葉ジェッツとの大一番で弾みをつける一戦とできるのか、川崎にとっては結果はもちろんのこと、内容もこだわりたい今日の第2戦となる。
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