攻守が噛み合わず、最後まで反撃のチャンスは訪れず
ピストンズのホームに乗り込んだウィザーズは3ポイントシュートが決まらず、フリースローに至っては19本中わずか6本の成功(31.6%)と低調で、ディフェンスも最後まで修正できないまま91-120の完敗を喫した。
八村塁は序盤からミドルシュートにドライブからのフックシュートと積極的にゴールを狙うも、シュートタッチに苦しんだ。ミスマッチからアタックしたシーンでは右手で相手の腕を振り払ったと見なされオフェンスファウルをコールされてしまう。また、今では武器になりつつある、ラッセル・ウェストブルックのスキップパスからの速攻も、わずかにパスが合わずボールには触れるもシュートまで持ち込めずにポゼッションを渡すことに。
それでも八村は開始6分に、ポストプレーからフェイダウェイシュートを沈めて最初のフィールドゴールを記録すると、力強いアタックからのゴール下、再びポストからのフェイダウェイ、プルアップと本来の調子を取り戻し連続で得点していった。
だが、チームはオフェンスでリズムがつかめずにディフェンスが崩壊。タフショットを打たされてはアウトナンバーを作られ、トランジションからイージーシュートを許す。そして、スイッチディフェンスが基本なため、スピードや高さのミスマッチを簡単に作られてしまい、ピック&ロールの対応も中途半端で失点を重ねた。
また、シュートファウルを獲得して10本すべてのフリースローを成功させて確実に加点したピストンズに対し、ウィザーズは5本打って成功なしと、フリースローだけで15点の差が生まれた。こうして、ウィザーズは44-63と大量ビハインドを背負って前半を終えた。
後半に入っても流れは変わらなかった。良いオフェンスが続いても、オフェンスリバウンドを拾われ、セカンドチャンスポイントを許してしまう。29本中12本 (41.4%) の3ポイントシュートを決められたように、ウィザーズが得点してもそれを上回るペースで失点したことで点差を詰める時間帯がなかった。
八村もシュートモーションに入る前にボールを叩かれてシュートまで持ち込めないなど、後半はインパクトを残せない。また、後ろからボールを奪われてワンマン速攻を許したウェストブルックが、直後に強引なアタックを仕掛けてオフェンスファウルをコールされるなど『暴走モード』に突入。優しくないパスが目立ち、今シーズン最多となる9つのターンオーバーを記録した。こうして最後まで流れをつかめなかったウィザーズはこちらも今シーズンワーストとなる29点差の完敗を喫した。
八村は30分の出場で、フィールドゴール12本中5本を成功させて10得点2リバウンド2アシスト1スティールを記録したが、一人で違いを生みだすことはできなかった。
東カンファレンス最下位のピストンズに完膚なきまでに打ちのめされたウィザーズ。ケガ人が相次ぐ苦しいチーム状況ではあるが、課題を修正しないことにはプレーオフ出場は難しいと言わざるを得ない。