カイル・ラウリー獲得のチャンスをあえて見送ったレイカーズ、『王者の余裕』が大きな間違いに繋がるリスク

カイル・ラウリー獲得のチャンスをあえて見送ったレイカーズ、『王者の余裕』が大きな間違いに繋がるリスク

2021/03/27 12:20
レイカーズ

「レブロンとデイビスが万全であれば優勝できる」は本当か?

レイカーズはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの両エースを揃ってケガで欠いている。2月中旬から欠場しているデイビスの離脱は長引き、復帰にはまだ2週間かかる。3月20日の試合でレブロンは足首を痛め、1カ月から1カ月半の欠場となる。

レブロンがケガをした試合から4連敗という状況で迎えたトレードデッドラインで、レイカーズは動かなかった。レブロンとデイビスが復帰すれば何の問題もない、という『王者の余裕』だろう。指揮官のフランク・ボーゲルは「2人が欠場している間も、今のレベルはキープできる。2人が戻れば十分に勝てる」と自信を語った。

獲得に動いたとされるカイル・ラウリーのトレードはまとまらなかった。ラプターズはフランチャイズプレーヤーであるラウリーを条件次第では手放すつもりだったが、安売りをするつもりもなかった。ラプターズが希望したのはデニス・シュルーダーに加えて、ケンテイビアス・コルドウェル・ポープもしくはテイレン・ホートン・タッカーとされる。

レイカーズはこれに応じなかった。しかし、レブロンとデイビスが万全のコンディションであれば昨シーズンと同様に優勝できる、という仮定自体が甘いのではないか。西地区のライバルを見れば、ナゲッツはアーロン・ゴードンを、クリッパーズはラジョン・ロンドを獲得した。どちらもプレーオフを見据えた補強であり、『打倒レイカーズ』を意識しているのは明らかだ。

タッカーは昨シーズンの出場こそ6試合に留まったが、今シーズンはここまで41試合に出場。その将来性はレブロンも高く評価しているし、ファンの間での人気は高い。それでもNBAキャリア2年目の20歳で、将来の成功が約束されているわけではない。レブロンが全盛期の間に何回優勝できるかと考えた場合、そのチャンスはそう多くないことは明らかであるにもかかわらず、オールスターポイントガードのラウリーを獲得できるチャンスを見逃したことは理解しがたい。

サンダーから獲得したばかりのシュルーダーはNBAキャリア8年目の27歳で、これから全盛期を迎える選手。レイカーズに加わってすぐ周囲とのケミストリーを築き、平均15.1得点、4.8アシストと活躍している。ラウリーを獲得できてもシュルーダーが抜けたのでは意味がないと思いたいところだが、シュルーダーはいずれにせよ今夏にフリーエージェントとなる。レブロンとデイビスだけで7700万ドル(約81億円)の年俸負担があるレイカーズからすると、今でもチームで3番目に高いシュルーダーの年俸を大幅に引き上げて再契約できる可能性は低いと言わざるを得ない。

現時点での力だけを見ればシュルーダーよりもラウリーの方が上だ。今シーズン、ナゲッツやクリッパーズの圧力に負けず西カンファレンスを勝ち抜き、急激にレベルを上げている東の王者とのNBAファイナルを制するには、ラウリーが必要だったのではないか。

レイカーズはなりふり構わずレブロンを、そしてデイビスを獲得することでNBAチャンピオンに返り咲いた。今、ライバルたちはそれと同じようになりふり構わずレイカーズを倒しに来ている。バイアウトした選手の補強でこれに対抗できると考えているなら、それは甘いのではないか。一つの成功が次の成功を約束してくれると考えたら、それは大きな間違いだ。

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