レブロン・ジェームズ

レイカーズ指揮官は「これは投票する側の過ちだ」

レブロン・ジェームズはこれまで、2009年と2010年、2012年と2013年と4度のシーズンMVPを受賞している。偉大な記録ではあるが、最初の2回はキャバリアーズで、続く2回はヒートでの受賞であり、2016年にキャブズで、昨シーズンにレイカーズで優勝した時も含めて、このところ7シーズンに渡りMVP受賞から遠ざかっている。

この間にレブロンは年齢を重ね、大ベテランと呼ぶべき36歳になった。それでも彼はあらゆる意味で『規格外』の選手で、この超過密日程のシーズンにおいても1試合を欠場しただけでプレーを続け、25.8得点、8.1リバウンド、8.0アシストと盤石のプレーを続けている。レイカーズと彼の周辺には「今度こそシーズンMVPを」の意見が多い。

レブロンばかりが受賞するのではつまらないから、別の選手に投票する──。この力学が働いているのは間違いない。それをカイル・クーズマは「NBAのMVPはとても政治的な賞なんだ」と表現した。オールスターブレイク明け4連勝となったホーネッツ戦を終えた会見で、クーズマは「彼は最低でも8回、なんなら10回はMVPになっていてもおかしくない。僕はそう思っているよ」と力説した。

レブロン自身も「僕は4回よりも多く受賞しているべきだと考えている。ただ、そのことで思い詰めたり、泣き言を言うつもりはない。『次のシーズンではMVPになってやる』と思うだけさ」と、シーズンMVPへの思いを語った。

「MVPには意味がある。ここで『いや、そんなの気にしない』と言うつもりはないよ。これまでのキャリアで何度か受賞できたのは特別なことだった。このNBAで最高の選手たちと一緒に自分の名前が候補に挙がることは、とても意味がある。今シーズンずっとやってきたように、攻守両方の局面において自分がチームに何をもたらせるのか。キャリアのこの時期に達成できたとすれば、僕個人としては本当に大きな意味を持つんだ」

自他ともに認める『レブロン信者』であるアレックス・カルーソもこう言う。「投票結果がどうであれ、僕らプレーヤーは誰が最も偉大なのか知っている。昨日も今日も、それはレブロンだよ。僕は彼のチームメートだから影響を受けている面はあるだろうけど、それが僕の実感だ」

レイカーズの指揮官、フランク・ボーゲルもMVPにレブロンを強く推す。「リーグ最高の選手がもう何年もMVPにならない。端的に言えば、これは投票する側の過ちだ。MVPに相応しい選手は他にもいるが、レブロンはNBA2年目か3年目から常にリーグのベストプレーヤーだ。今シーズンもここまでは彼がMVPになるべきだと私は思っているよ」