キャリス・ルバート

「勝利に貢献することが一番の目的だった」

現地3月13日、ペイサーズは西カンファレンス2位を走るサンズとの対戦を122-111で勝利し、連敗を2で止めた。

そして、この試合ではキャリス・ルバートがペイサーズでのデビューを果たした。ルバートは1月にジェームズ・ハーデンを中心とした超大型トレードに巻き込まれた形で、ネッツからペイサーズへトレードされた。その際に受けたメディカルチェックで腎臓に小さな腫瘍があることが判明し手術を受け、しばらくは治療に専念していた。

ネッツで出場した1月12日のナゲッツ戦を最後にバスケットから遠ざかっていたルバートだが、2カ月ぶりの復帰戦となったサンズ戦で先発を任された。27分の出場で13得点7リバウンド2アシストを記録したルバードは試合後の会見で「勝利に貢献することが一番の目的だった」とコメントした。「僕にとってはそれがすべてだった。病気になって以降は、今日が2回目の5対5だったから足が重かったり、コンディションがまだ整っていない部分もあった。それでも時間がたてば回復できるし、すぐに取り戻せるはずさ。今日は、ただただ勝利できたことがうれしい」

「2カ月前には自分がここに戻って来られるかすら分からなかったけど、こんなに早くコートに戻って来ることができた。本当に感謝の気持ちでいっぱいだよ」

ルバートは試合後にコートインタビューを受けてからロッカールームに戻ると、チームメートから大きな拍手で迎えられたという。マイルズ・ターナーは「僕たちチーム全員が、彼が戦ってきたことを知っている。あのような経験をして、また戻って来るのは強い人間しかできない。彼が戻って来ることができて本当にうれしいよ」とルバートの復帰を喜んだ。

ペイサーズは現在17勝20敗と黒星が先行しているが、今シーズン平均18.5得点を挙げているルバートが加わることで、マルコム・ブログドンとドマンタス・サボニスの負担を減らすことができる。ターナーは言う。「彼はウチのオフェンスに大きな影響を与える。第1クォーターは仲間を生かそうとしていたけど、みんなで『得点を取りに行け。自分らしくプレーしろ』と伝えた。彼がアグレッシブにプレーしてくれると、周りの選手のスペースも生まれるからね」

指揮官のネイト・ビョーグレンも「彼はチームに活力を与えてくれる」と称えた。「彼はすごくレベルが高い選手だし、人としても素晴らしい。コートに出ている間、素晴らしいプレーをしてくれたね。彼が戻って来てくれて、みんなすごく喜んでいたよ」

ネッツからペイサーズへのトレードは、ルバートにとって望んだものではなかった。それでも「ある意味、このトレードが僕の身体に起きていることを明らかにしてくれた。今回のトレードは長い目で見たら、僕のことを救ってくれることになると思う」と以前に語ったように、大病に繋がりかねない問題を早期発見できたのは幸いだった。病気からの復帰、そして新天地デビューで勝利を飾ったルバートの、ペイサーズでの活躍に期待したい。