寡黙だった印象が180度変化
ウォリアーズのクレイ・トンプソンは、2019年のNBAファイナル第6戦で左膝前十字靭帯断裂の重傷を負った。さらに今シーズン開幕前に右足のアキレス腱を断裂。またしてもシーズンを全休することになった。
ただ、新型コロナウイルスの影響で試合がなくなった昨シーズンとは違い、今のクレイはチームに帯同している。一人でリハビリを続けるだけの生活では気が滅入るだろうが、苦楽をともにしてきたチームメートの近くにいる今は気分も違うだろう。ただ、ドレイモンド・グリーンによれば、性格的な部分にまで大きな変化があったようだ。
『SiriusXM NBA Radio』の番組に出演したグリーンは、これまで寡黙なイメージが強かったトンプソンが、今ではチームと一緒に行動している間は常に喋り続けていると語った。
「クレイが近くにいてくれるとうれしいよ。彼は、みんなとは異なるエネルギーをもたらしてくれる存在なんだ。彼もチームと行動をともにできることを喜んでいる。クレイからバスケを取ったら、何も上手く機能しない。バスケを愛している男だから、バスケが必要なんだ。寝ても覚めてもバスケ漬けの人間さ。ウチには若い選手が多いから、クレイやステフ(ステフィン・カリー)から言葉を掛けられれば喜ぶ。クレイからちょっとしたコツを教えてもらえれば、成長に繋がるしね」
「それにクレイは変わったよ。今の彼は喋り続けている。これまでは物静かだったのに、今では会話を止めない。ノンストップだ。移動の飛行機の中でも、ロッカールームでもね。ウェイトルームでも、彼は常に誰かに何かを大きな声で言い続けている。本当にありとあらゆることを喋り続けているんだ。ここまで喋り続ける人が身近にいて、それをありがたいと思えるには、その人物と密接な関係が必要になる。そうじゃないと、『もう分かったよ』と邪険にしてしまうからね。でも、僕はクレイが喋り続けていても飽きない。関係性が長いし、彼が今のように喋る姿を見たことがなかったからね。ステフとこの話になると爆笑してしまうぐらいさ」
どういう心境の変化があったのかは、トンプソン本人に聞かないと分からない。しかし、ポジティブなエネルギーは若い選手が多いチームにとっては必要だ。寡黙なシューターだった以前の姿からは想像できないが、今のトンプソンは声でチームの力になろうとしている。