ザイオン・ウィリアムソン

カリー「代表スタッフと連絡を取りつつ状況を見守っている」

アメリカ代表はNBAプレーヤーで構成されたチームを東京オリンピックに送り込むつもりだ。5人制男子では昨年の時点で、昨夏の開催を想定して44名の候補選手を発表し、NBAのシーズン終了後に選手を絞り込むはずだった。それが新型コロナウイルスの感染拡大により延期に。チームとしての活動もないために候補リストはそのままになっていたが、ここに来て新たに15名の選手を追加した。以前からの候補から数名が抜け、これで現在の候補は57名になっている。

新たに加わったのはザイオン・ウイリアムソン(ペリカンズ)、ザック・ラビーン(ブルズ)、トレイ・ヤング(ホークス)、ジャレット・アレン(キャバリアーズ)、ダンカン・ロビンソン(ヒート)、ドリュー・ホリデー(バックス)、ジェレミー・グラント(ピストンズ)、フレッド・バンブリート(ラプターズ)、ジョン・ウォールとエリック・ゴードン、クリスチャン・ウッド(ロケッツ)、ジュリアス・ランドルとミッチェル・ロビンソン(ニックス)、そしてディアンドレ・ジョーダンとブレイク・グリフィン(ネッツ)。

日本のバスケットボールファンにとっては幸いなことに、NBAのトッププレーヤーたちの東京オリンピックに懸ける意気込みは強い。2019年のワールドカップでは、トレーニングキャンプ開始を前に『NBAの顔』とも呼ぶべきビッグネームが次々と不参加を表明した。NBAプレーヤーで構成されたものの、レブロン・ジェームズもステフィン・カリーも、カワイ・レナードもジェームズ・ハーデンもいないチームUSAはケミストリーの構築も思うように進まず、準々決勝でフランスに敗れている。

この時、大会のグローバルアンバサダーを務めたコービー・ブライアントは「今は世界がアメリカに追いつこうとする時代ではない。もう肩を並べられている」と、暗にチームUSAの姿勢を批判。その『喝』は多くの選手に伝わったはずだ。

先日のNBAオールスターでのメディア対応で、カワイ・レナードは「オリンピックに行く準備をしている」と参加の意向を表明。ステフ・カリーは「初めて経験するスケジュールはまだ不透明で、代表スタッフと連絡を取りつつ状況を見守っている。出場するかどうかの質問に答えるにはもう少し時間が必要だし、今はシーズン後半戦を優先して考えている」と慎重な態度を取りつつも、オリンピック出場を否定はしなかった。

NBAファイナルが終わればすぐにオリンピックの初戦を迎える状況で、最終メンバー12名をどう絞り込むかはまだ見えてこない。プレーオフ進出を逃した、あるいは1回戦終了時点でシーズンを終えた選手でチームを構成し、トレーニングキャンプを経て東京に乗り込むのが現実的なプランだが、アメリカ代表はロスターの入れ替えに柔軟性を持たせるルール変更を認めるよう働きかけている。マネージングディレクターを務めるジェリー・コランジェロが言う「可能な限りベストのチームを編成する」を現実のものとすべく、そして金メダルを獲得すべく、準備を進めている。