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健康面の不安もささやかれるが、ローズは完全復活を約束

ケビン・デュラントのウォリアーズ移籍を除くとすれば、今オフ最大のサプライズはデリック・ローズのニックス移籍だろう。

2008年のドラフト全体1位指名を受け、史上最年少となる22歳6カ月でシーズンMVPを受賞するなど、名実ともに「ブルズの顔」となっていたローズも、今年の10月で28歳になる。ブルズ黄金期を再現させられる選手として期待されたが、スピードを武器とする選手にとっては避けられないヒザの負傷に苦しみ、2012-13シーズンから2015-16シーズンまでの間、約4割もの試合を欠場した。

ニックスで再スタートを切ることになったローズは、背番号をブルズ時代の1番から25番に変更。母校シメオンキャリア・アカデミー高校の伝説的な名選手ベン・ウィルソンが着け、自身も在学中に背負った番号とともに、名門ニックス再建に力を尽くすこととなった。

ローズは『The Vertical』のインタビューで、ブルズ時代をこう振り返っている。

「過去は過去。自分が若い頃にどういう選手で、どういうプレーをしていたかを思い起こさせるものだ。僕は無謀で、自由だった。類まれな才能を持っていたのは確かだと思うよ」

新天地ニックスでの意気込みについては次のように話した。

「これからは25番を着けてプレーする。選手として、もっと成熟した自分を見てもらいたい。昨シーズン終盤のように、以前よりも抑制が効くタイプのプレーをね。それに、今年はプレーの幅も広がっている。1番の頃の記憶は、僕の中に刻まれ続け、なくなるものではない。でも25番は僕にとって新たなステップであり、進むべき方向なんだ」

ローズは、来年のオフにフリーエージェントになる。今シーズンの活躍次第では、ニックスとの契約延長、あるいは他チームとの大型契約も夢ではない。「まだ終わっていない」と主張するローズは、うるさ型で知られるニューヨークの熱狂的なファンの信頼を勝ち取れるだろうか。

「新たなスタートで、若返った気分なんだ。今は、とにかく何か大きなことを成すための準備をしているところ。僕は、今のチームなら全試合に勝てるチャンスがあると思っているんだ」

全盛期のスピードはなくなったが、以前のような強引なオフェンスが減り、プレーの幅は広がった。役者が揃ったニックスの再建とともに、自身も復活を目指すシーズンを迎える。