ラプターズ

コーチングスタッフ6名とシアカムに健康安全プロトコルが適用される

ラプターズはニック・ナースを始めとするコーチングスタッフ6名とパスカル・シアカムが新型コロナウイルスの健康安全プロトコルにより、2月26日のロケッツ戦を欠場。スペイン代表の指揮のためにチームを離れていたアシスタントコーチのセルジョ・スカリオーロが戻ることができ、彼の指揮の下でロケッツに勝利した。

しかし、トラブルはそれだけで終わらない。シアカムとコーチ陣の健康安全プロトコル適用は長引き、続くブルズ戦とピストンズ戦は延期になった。オールスターブレイクを前に、3日のピストンズ戦、4日のセルティックス戦が予定されているが、この2試合が開催できるかどうかは様子見の状態だ。ボビー・ウェブスターGMは「NBAとは協議しているが、コーチ陣とシアカムの復帰は難しいだろう」との見立てを語っている。

今シーズンが始まってから2カ月あまり、健康安全プロトコルにより選手が揃わずに試合が延期となるケースは何度も起きた。しかし、今回のケースがより深刻なのは、シーズン後半戦の日程が発表された後で、延期になった試合をスケジュールに組み込むことが難しいからだ。

ラプターズはオールスターブレイク明けの68日間で36試合を戦うはずだったが、これが40試合になればチームの負担は非常に大きくなる。リーグは72試合のスケジュールをすべて消化できない可能性も認識しており、延期となった試合はそのまま開催が見送られるかもしれない。

ただ、これはリーグの公平さを損なう可能性がある。仮にオールスターブレイクまでの4試合が開催されなくなれば、結果としてラプターズはシアカム抜きで5日で4試合を戦う超過密日程を回避できる。健康安全プロトコルにより選手を欠いたまま戦うチームからすれば、「不公平だ」と感じても無理はない。もっとも、ラプターズはカナダへの出入国に制限があるために、今シーズンを通して本拠地のトロントを離れ、フロリダ州タンパを間借りする不利益を被っている。新型コロナウイルスの影響により得をしているチームは一つもない。リーグも各クラブも、苦しみながら前へと進んでいる。