前日の悪いイメージを払拭した遠藤の3ポイントシュート
2月28日、宇都宮ブレックスはオフェンスが爆発しシーホース三河との第2戦に93-84で勝利した。バイウィーク明け、2週間ぶりの実戦となった前日の試合では、オープンを作り出すも外角シュートが全く入らず、その悪循環が守備にも伝搬してしまい攻守ともに良いところなく67-85で完敗した。初戦のリベンジを果たす結果となったが、その立役者となったのが遠藤祐亮だ。
試合後、安齋竜三ヘッドコーチが「今日は、内容云々より勝つことが最優先事項でした」と語ったように、この試合はホームでの連敗を避けたい宇都宮にとって大きな踏ん張りどころだった。
第1戦の宇都宮は3ポイントシュートが35本中わずか8本成功と全く入らず、遠藤自身も8本中1本成功と不発に終わった。そこから一夜明け、この重要な一戦で遠藤は試合最初から思いきり良く3ポイントシュートを放ち、第1クォーターだけで4本すべてを成功させた。この連続成功は、他のチームメートが前日の悪いイメージを払拭する波及効果となった。最終的に遠藤自身は6本中6本成功、チームとしても31本中18本成功の大爆発が最大の勝因となった。
遠藤は試合を次のように振り返る。「昨日は悔しい負け方をしたので今日は相手についてより自分たちのことをしっかりやろうと入りました。第3クォーターは相手のリズムになりましたが、4クォーターでしっかり修正できたことで、連敗せずにホームで勝ち切れたと思います」
そして、自身の3ポイントシュート爆発についてこう語る。「昨日は後半の打たなければいけない場面でことごとく入らなかったですが、今日はしっかり切り替えて臨みました。前半から自分のタイミングで打てました。そして最初のシュートが入ったことで、どんどん打とうというメンタルになりました」
ちなみにこの試合、遠藤が3ポイントシュートを放ったのは前半のみで、後半は1本も打たなかった(2点シュートを放ったのも2本のみ)。前半でこれだけシュートタッチが良ければ、後半に多少は強引にでも打ちに行ってもおかしくないが、そこは状況を冷静に判断し、チームファーストに徹した結果だった。
「後半はLJ(ピーク)が良いリズムで得点を取っていましたし、前半は0点だったライアン(ロシター)も活躍しました。バランス良く攻めることができて、後半は自分にボールが回ってくる前に得点することが多かったです。自分でなくてもチームが点を取れていたことが後半のシュートアテンプトの少なさに繋がりました」
初戦の敗因「自分たちを見失う部分がありました」
第1戦の内容は大きな反省点となったが、第2戦ではしっかりカムバックできる勝負強さを証明した。パフォーマンスの振れ幅は大きかったが、この2連戦で得た教訓を遠藤はこのように語った。
「バイウィークは身体がリフレッシュでき、自分たちのことを見つめ直す良い期間になりましたが、昨日に関しては相手のことにフォーカスし過ぎて自分たちを見失う部分がありました。どういう状況になろうと、勝ちをつかみにいくメンタルを昨日は持ち合わせていなかったです。今日は自分たちのやるべきことに対して全員の意思疎通ができていた。しっかり勝ち切るメンタルを持っていました」
シュートは水物であり、長いシーズンにおいて予想外に入らない日があるのは珍しいことではない。ただ、宇都宮の根幹はディフェンスであり、どんな状況でもハードに戦うこと。シュートが入らないのなら、よりタフな守備で相手にもシュート決めさせない我慢比べに持ち込んで守り勝ってきたのが宇都宮らしさである。
水曜日には川崎ブレイブサンダースとのアウェーゲームとタフな日程が続く。「前に負けていて、昨シーズンも負け越している強い相手ですが、今日のように自分たちのやるべきことをやれば勝利に近づける。また自分たちのやるべきことをしっかりやりたいと思います」と遠藤が語るように、昨シーズンから川崎との相性は決して良くない。この難敵相手に雪辱を果たし、あと2週間と迫った天皇杯へ弾みをつけるには、結果とともに宇都宮らしい戦いをどれだけ見せられるかが大事になる。