艱難辛苦を乗り越えて『第2の全盛期』を作ろうとするデリック・ローズ「すべてに適応して僕はここにいる」

艱難辛苦を乗り越えて『第2の全盛期』を作ろうとするデリック・ローズ「すべてに適応して僕はここにいる」

2021/03/02 08:00
デリック・ローズ

「プレーオフをホームで開催することには大きな意味がある」

ニックスは2月最後のゲーム、ピストンズ戦に勝利し、2月を9勝4敗で乗り切った。キングス、ペイサーズ、ピストンズとの直近の3試合では、不動の先発だったエルフリッド・ペイトンがハムストリングを痛めて戦線離脱となった。ポイントガードの代役はルーキーのイマニュエル・クイックリーが務めると見られていたが、指揮官トム・シボドーはここでデリック・ローズを先発に引き上げた。

シボドーは愛弟子のローズについてこう語る。「22歳の頃の身体能力は持っていないが、プレーヤーとして年齢を重ね、試合から学んだ知識を使って戦うことができる。トラップを仕掛けられ、フィジカルに当たられ、ボックスワンで守られ、そういったすべてを経験してきたから、相手のディフェンスに応じてチームメートを巻き込んで対処できる。若い頃よりも身体のケアに気を配り、その恩恵を受けている。精神的にも良い状態を保っている」

ローズは指揮官の期待に応え、キングス戦では18得点6アシスト、ペイサーズ戦では17得点11アシストと1年ぶりのダブル・ダブルを記録し、古巣ピストンズ戦でも14得点5アシストとチームを3連勝に導いた。

ローズには膝の故障を繰り返した過去があり、キャリアが終わってもおかしくない状態から長い時間をかけてここまで復調してきた。シボドーは先発に据えた選手を酷使するタイプ。今シーズンの過密日程の中で先発で30分以上プレーすることに不安を感じる声もあるが、ローズはこう言う。「チームが勝つためにどうするかが大事で、僕が30得点しなきゃいけないとは思わない。何年も自分でチームを引っ張ってきたけど、今はコートに立つたびに若い選手にエネルギーをもらっているんだから贅沢な話だよ」

チームは18勝17敗で、東カンファレンスの4位につけている。勝ち慣れていないニックスのファンは勝率5割を超えてプレーオフ進出が見えてきたことに狂喜乱舞しているが、順位の話になるとローズは表情を引き締め、「プレーオフをホームで開催することには大きな意味がある」と話した。4位以内を確保して、マディソン・スクエア・ガーデンにプレーオフを持ってくるのであれば、ヒート、セルティックス、ラプターズに0.5ゲーム差で追われる今の状況は全く楽観視できない。

それでも、ローズは自分の置かれた環境に感謝の気持ちを持ちつつ、目の前の試合をこなしていく。過去の自分と比較して何ができるか、彼は冷静に受け止め、チームのために結果を出そうとしている。

「これまで僕は本当に多くのことを経験してきて、自分がどれだけ恵まれているのかは分かっているつもりだ。このリーグでチャンスをもらうのは簡単ではない。自由にプレーすること、攻めたい時に自分のやり方でアタックできる選手は一握りだ。1回か2回のチャンスをもらうのに四苦八苦するのが当たり前のリーグで、これまで多くのコーチと信頼関係を築くことができて、僕は何度もチャンスを与えられてきた。そのおかげで僕は自信を失うことなくやってこれた。昔のように爆発的なプレーができる選手じゃないけど、自分の持つスキルを使って試合に良い影響を与えられると思っている。たくさんのケガやいろんなことを経験したけど、そのすべてに適応して僕はここにいる」

多くの浮き沈みを経験してきたローズだが、32歳の今はニックスで充実したシーズンを過ごしている。まだレギュラーシーズンは折り返し地点の手前だが、後半戦まで戦い抜いてプレーオフ進出を果たすことができれば、ローズにとっては『第2の全盛期』と言えるはずだ。

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