ビクター・オラディポ

写真=Getty Images

混戦となる東カンファレンスの注目選手に

ビクター・オラディポにとって、2017-18シーズンは『覚醒のシーズン』になった。昨年夏にポール・ジョージと交換でサンダーからペイサーズにトレードされた際には、ジョージを放出した見返りとしては釣り合わないとしてファンの批判が集中した。

だがオラディポは、移籍1年目に平均23.1得点、5.2リバウンド、4.3アシストという見事なスタッツを残し、キャリア初のオールスターにも選出され、スター選手の仲間入りを果たした。

東カンファレンス5位でプレーオフに進出したペイサーズは、4位通過のキャバリアーズとファーストラウンドで対戦。下馬評ではレブロン・ジェームズのキャブズが有利と言われたものの、オラディポの奮闘によりシリーズは白熱し、第7戦までもつれた。最終的にキャブズが勝ったとはいえ、ペイサーズがアップセットをやってのけるのではないかと思われる場面も多かった。あのレブロンが、ペイサーズとのシリーズ後には疲労困憊の様子を見せるなど、キャブズが勝ったことより、オラディポが『キング』を追い詰めた印象の方が強く残っている。

そのオラディポのトレーナーが、新シーズンの彼への期待を煽った。「昨シーズンのビクターが爆発力のある選手だと思われたのだとしたら、来シーズンの彼はとてつもなく脅威になる。『ミニ・レブロン』に化ける」とコメントしたのだ。

レブロンがレイカーズに移籍したことで、来シーズンからは東の競争も激化する。カワイ・レナードを獲得したラプターズ、カイリー・アービングとゴードン・ヘイワードが復帰するセルティックス、ジョエル・エンビードとベン・シモンズのセブンティシクサーズらによる争いの中にペイサーズが割って入れるかどうかは、オラディポのさらなる成長にかかっている。