遠藤祐亮

外角シュートを高確率で決め続けたことで流れに乗る

宇都宮ブレックスとシーホース三河の第2戦。計18本成功と総得点の半分以上を3ポイントシュートで挙げる長距離砲の大爆発により宇都宮が93-84で勝利し、18点差で敗れた前日のリベンジを果たした。

第1クォーター、宇都宮は出だしから遠藤祐亮、LJ・ピークと昨日は試合全体を通して35本中8本成功と不発に終わった3ポイントシュートが決まることで先手を取り、残り2分半には12点のリードを奪う。ここから三河もカイル・コリンズワースの奮闘などで追い上げるが、宇都宮は終了間際にこのクォーター8本目の3ポイントシュートを渡邉裕規が沈め28-19と先行する。勢いに乗った宇都宮は、第2クォーターに入っても外角シュートを高確率で決め続ける。さらに持ち味であるオフェンスリバウンドからの得点も要所で飛び出すことで三河を圧倒し、前半で21点の大量リードを奪った。

迎えた後半、三河はダバンテ・ガードナーが出だしから連続得点を挙げてリズムに乗ると、12-3のランで一気に差を詰める。さらに開始3分半で宇都宮をチームファウル5つに持ち込んだことで、フリースローでも加点。ガードナー、金丸晃輔の2人でこのクォーター計19得点と両エースの大暴れで残り2分50秒には6点差にまで差を縮めた。

しかし、ここで宇都宮は踏ん張って流れを切ると、終了間際に竹内公輔が3ポイントシュートを決めリードを2桁に戻す。第4クォーターに比江島慎が一度はコリンズワースにブロックされるも、そのボールを取ってシュートを放ち成功。さらにセカンドチャンスから渡邉と、再びの3ポイントシュート爆発で残り8分に16点リードと突き放す。

三河も粘りを見せ8点差にまで戻してオフィシャルタイムアウトとなるが、ここで宇都宮は第3クォーターまで無得点だったライアン・ロシターが3ポイントシュート、オフェンスリバウンドから押し込む連続得点。第4クォーターで9得点とエースがここ一番で仕事をした宇都宮が粘る三河を振り切った。

金丸晃輔

後半の反撃に「発展途上のチームにとっては良かった」

宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは昨日の大敗から立て直し連敗を阻止したことに、「今日は内容云々よりは勝つことが最優先事項で、それをしっかりつかみ取ることができたのは大きかった」と安堵の表情を見せる。

また、第3クォーターでの三河の猛追をしのいだ点について「逆転されたり追い付かれることなく10点に離して第4クォーターを迎えられたことで、最後まで自分たちの流れでできました」と振り返るが、一方で後半に50失点とディフェンスを崩されたことには反省しきりだった。

「昨日の敗戦から戦術的に特に変えたところはなかったですが、一つひとつの強度、遂行力について前半は特に良かったです。ただ、やっぱり三河さんは得点力があるので『後半、50点以上を取られるパターンもあるぞ』とハーフタイムに言いましたが、本当に取られてしまいました。相手にやりたいことをやらせて、ウチはやりたいことができず、ファウルもこんで悪循環になってしまった。金丸選手にフリーで3ポイントシュートを打たれるなど詰めの甘さはあり、これから改善していかないといけないです」

三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは、「3ポイントシュート18本成功と宇都宮さんの素晴らしいシュートに尽きると思います」と相手の決定力が勝敗を分けたと称える。もちろん自分たちにも「前半、少しフワッと入ってしまうなど、ウチのディフェンスも昨日に比べて緩かった」と反省点はあるが、一方で後半に猛追を見せたところには手応えもあった。

「シーズン初めはああいう形になるとそのままズルズルといってしまう、さらに離されるダメな試合がいくつかありました。宇都宮さん相手に後半カムバックしたことは、我々のような発展途上のチームにとっては良かったと思います。後半については非常に満足しています」

1勝1敗の痛み分けで終わった両チームだが、水曜に宇都宮は川崎ブレイブサンダース 、三河は琉球ゴールデンキングスとともに同地区の難敵とのアウェーゲームを迎える。天皇杯のファイナルラウンドも間近に控えており、この2連戦で得た収穫、課題をどうチーム力アップの糧にできるか。まずは3月3日の試合が楽しみだ。