レブロン・ジェームズ

「僕は若手を勇気づけ、自信を持たせてあげなきゃいけない」

2月24日のジャズ戦は完敗に終わった。レブロン・ジェームズは26点ビハインドを背負った第3クォーター終盤にベンチに下がると、その後はプレーしなかった。結果、彼のプレータイムは28分。それでも勝つにせよ負けるにせよ、よほど一方的な展開にならない限りは、彼のプレータイムは35分前後になり、オーバータイムにもつれた4試合でのプレータイムは平均43分になる。

レイカーズに加わった時に「君の責任を僕が背負う」とレブロンに伝えたアンソニー・デイビスがケガで欠場している今、レブロンの負担は極端に大きくなっている。新型コロナウイルスの影響で『超』が付くほどの過密日程が発表された時点で、どのチームも主力選手に適度な休養を与えながらレギュラーシーズンを戦うことを選択した。レブロンも開幕前にはロードマネジメントに同意するような発言をしていたが、結局はここまで33試合すべてに出場している。平均プレータイム34.8分は、若い頃よりは短いものの昨シーズンと変わらない数字だ。

ジャズに完敗を喫した理由を「コンディションに差があった。ジャズは万全のコンディションで、マイク・コンリーが調子を取り戻していたのが大きい」とレブロンは言う。ただ、若手が早々に勝負をあきらめてしまったような印象が強く、会見ではそれについてどう思うかとの質問も出た。

レブロンは「AD(デイビス)とデニスは重要な戦力だから、欠場は確かに大きい。でも、こんな時こそチームとして頑張らなきゃいけないし、僕は若手を勇気づけ、自信を持たせてあげなきゃいけないと思う」と語るとともに、「みんなチームに貢献しようとベストを尽くしている。それぞれが自分にプレッシャーを掛けているのだから、それ以上のプレッシャーを与えたくはない」と、若手を擁護した。

だが、今のレイカーズを引っ張るのに、レブロンがいつも以上のエネルギーを要しているのは間違いない。ここまで1148分出場のレブロンよりプレータイムの長い選手はいるが、ラプターズのフレッド・バンブリート(1211分)は27歳、ニックスのジュリアス・ランドル(1175分)は26歳で、必要とされれば何分でもコートに立って自分の価値を証明したいと思う年齢だ。

10歳年上のレブロンは、その中で奮闘を続けている。『鉄人』と形容すべきタフさ、常にベストを尽くすプロフェッショナル精神は称賛に値するし、今の彼は2013年以来5度目のレギュラーシーズンMVPも狙える位置にいるが、その前にアクシデントが起こるのではないか。2012-13シーズン、レイカーズをプレーオフへと導くために無理に無理を重ねたコービー・ブライアントはアキレス腱断裂の大ケガを負った。

当時のコービーは34歳で、レブロンはその年齢を超えている。誰かが止めない限り、レブロンはコートに立ち続けて100%のプレーを続けるだろう。主力不在で負けがこんでいる今、レブロンは120%、150%と無理をしていくに違いない。せめてデイビスが戻るまで、誰かがブレーキを踏むべきだ。